札幌の介護者必見・介護グッズに必要なのは「普通さ」

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母を看取って1月31日で7年

あの頃の私は、介護にとても神経を使っていました。元々介護職の仕事をしていたので体力精神力には自信があったのですが、仕事とプライベートでは気の使い方は全く別と知ることとなるのです。

仕事はその日が終われば終了、でも家族介護は24時間、365日・・・

体力に自信があっても、どこかで休憩を挟まないと、持ちません。そんな時、便利グッズや介護グッズのお世話になる事も必要と痛感しました。母はいわゆる介護グッズのようなものは、拒否。

「普通のでいい」

と言って、不自由な体でも普通のグッズを使おうと頑張っていました。それを使えない事を知っている私は、結局見守りや介助が必要になり、そこに時間を取られます。ある意味仕事とは全く違うのは

忍耐力

良い意味でうそをつくこと

母が介護用品を拒否することから、良い意味でのうそをついて母に介護用品を使ってもらことも・・・

介護用品に見えないグッズ探しが始まる

母の介護用品への拒否はなかなかのものでした。

一番悩んだのが

食器類

食べこぼしを気にして、好きな食べ物でもうまく口まで運べない食べ物は敬遠するようになってしまった母・・・

体重も少しずつ減っていき、栄養価のあるような補助ドリンクを処方されますが、それすらも拒否。

当時保育士として働いていた勤務先でふと思いついたのが・・・

子供用の食器を使ってみてはどうかな??

と思ったのです。

いかにも子供っぽいデザインでない食器がある事も知っていたので、色々と調べてみました。


見た目もいかにも子供用には見えず、軽くて小さ目で持ちやすい。

子供用の食器のメリットは、食べ物をすくいやすいようにしたり、こぼれにくいようにしたりと、上手に食べられるような工夫がされていること。まさに身体機能が落ちて手指がうまく使えない母には打ってつけでした。


真ん中からうまく救えるような構造になっています。

また、コップも、介護用のコップをやがる母に、これまた使いやすくて少量で飲める子供用のコップを使いました。


この程度のイラストなら、逆に母は

可愛いね

と言って使ってくれました。

飲みやすい構造になっていて手の小さい母には持ちやすかったようです。

これらの子供用の食器を駆使しながら、母の

普通に自分で食べたい

という想いを尊重出来たのは良かったのかなと思います。うまく食べることも母にとってはある意味プライドがあったのです。

介護は自尊心やプライドを尊重する事

元々プライドが高かった母にとって、身の回りのことが出来なくなっていき、サポートしてもらう事は屈辱的な事でもあったようです。介護グッズという介護を受ける人が生活しやすいように工夫されているグッズを使う事で、日常生活を安心して送ることが出来るといメリットはあるとは思いますが、母にとっては、介護グッズを使って出来にくくなった動作などを補助してもらう事は屈辱的だったのでしょうね・・・

「それ介護用品?」

と聞いてくることもありました。母の誕生日に、介護用のマグカップをプレゼントしたことがありました。


こんなお洒落な有田焼の介護用カップです。

むせにくい構造になって飲みやすくなっています。とってもしっかりしていて、ある程度の軽さもあります。一見すると普通のマグカップにも見えますが、母は見るなり、介護用品とわかったのか、一度も使いませんでした。後日父に、

「私は普通のコップで飲める」

と言っていたようです。

介護用の食器も今はおしゃれで色々な種類があり、食卓に並んでも介護食を食べると言う感じのいかにも感は少ないかと思います。でも、わかる人にはわかるんですよね・・・

次第に諦めていく悲しさ

そんなプライドが強かった母ですが、昨日が落ちていくにつれて、次第に諦めへと変わっていきました。それを見ている私は何だか寂しさも感じる様になっていきます。あんなに介護用品で少しでも母も私も気持ちが楽になれるのに!と思って色々とあの手この手で工夫してきたのに、そんなことはもうどうでもよいほど母の身体機能が落ちていく事の方が悲しい気持ちになっていることに気づきます。

ただ、最期までプライドを持ち続けたのは

紙おむつを履きたくない

という事

最期は療養型に入院するのですが、意識がもうろうとしている中でも、紙おむつを交換する時に、手を振ってイヤイヤをしていた母・・・結局亡くなる直前までそのイヤイヤの手振りはありました。プライドだったのですね。

介護ってお相手の自尊心やプライドをどこまで尊重してあげるかも大事な事だと感じています。介護の仕事をしている時も、その方が今まで生きてきた歴史の中でここだけは譲れないと言う事を受け止めながら関わらせていただきました。そして、どこかのタイミングでその方がご自身で、ここからはもう許せる範囲というのが広がっていくのですね。それを見守っていく事も大事なのだと、母を通して学ばせてもらいました。



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