ビジネスケアラーの存在
介護離職が経済に与える大きな問題として国も対策に乗り出しています。
厚生労働省も企業向け、労働者向けに様々な相談窓口や企業サポートを提案しています。
が、企業内では、人手不足などからなかなか取り組むことが難しい、という声もあるようです。家族の介護をしながら仕事をしている、いわゆる『ビジネスケアラー』の存在を国も深刻な問題として取り上げています。
ヤングケアラー、ケアラー問題だけにとどまらず、ビスネスケアラー問題も切っては切り離せません。ビジネスケアラーは年々増加傾向にあり、介護離職も年々増えているのが現状です。
各企業も人手不足など、深刻な労働環境の中で、介護離職による経済的な損失も増えているというのです。
介護はもはや個人や家庭の問題ではなく、社会問題でもあり、それが介護離職のような社会全体を取り巻く環境に影響を及ぼしているのです。
介護離職の内容とは
介護離職によって仕事を辞めざるを得ない方々の大きな要因として
介護と仕事の両立
が挙げられます。両立と言っても家庭によって様々ですが、精神的肉体的負担から、仕事との両立が困難なケースが多いようです。また、自分と配偶者の親の介護が同時に必要というケースも少なくなく、家族総出で、介護が必要になると言うケースもあります。
介護離職の事情は様々ですが、総じていえば精神的な負担が大きな要因と言えます。
まだ大丈夫、では遅いことも、早期対応が重要
親の介護がどの段階で必要になるのか?と、親が元気なうちは漠然としているため、現実味を帯びてこないケースが多いようです。しかし、『老い』は確実に少しずつきている事は事実なのですね。そのためにも、早期発見、早期対応、が大事になってきます。
仕事が忙しい
職場に親の通院のために休むことを言いにくい
などの理由から、親の心身の状況に対して早期発見が遅れるケースもあり、結果、介護離職に追い込まれてしまったというケースもあるのです。
今は大丈夫と言う状況だとしても、『老い』は進行していることを念頭に置きながら、いつか来るかもしれない介護に備えておくことも重要です。
職場の理解と組織で取り組むビジネスケアラーの課題
ビジネスケアラーにとって介護のために、仕事を休んだり早退することは、抵抗があると言う人もいるようです。特に男性の場合は重要なポストを任されていたりすると、介護のためにとは言いにくいと言う方もいるようです。
介護に対する認識や理解を得るためには、組織全体で取り組み、意識を変えることが必要となってきます。介護休暇があっても実績がない、取りにくい、等抵抗感を感じるという事は、組織自体が介護に対する認識が薄いという事でもあるのかもしれません。
介護離職に及ぼす、経済的損失、優れた人材を失う事、来られは組織にとっても大きな損失でしょう。
社員が働きやすい環境下で働くことももちろんですが、企業自体がこのような状況を回避するためにも、組織全体で介護離職防止、ビジネスケアラーの支援に取り組んでいく必要があるのです。