高齢者にも見られる発達障がい

※当ページのリンクには広告が含まれています。

PR/広告

発達障がいの歴史

発達障がいと言う言葉が生まれたのは、2004年の発達障害者支援法が国会で決定2005年から施行されました。

それまでは自閉症など知的を伴う障害が障害とされ、知的を伴わない場合は福祉サービスなどの公的扶助を受けることが出来ませんでした。

そのあたりから発達障がいと言う言葉が聞かれるようになり今に至ります。まだ歴史が浅いという面から見ると発達障害が高齢者にあまり聞かれないのはこういった背景もありますが、発達障がいと認知症の区別がつきにくいという要因も考えられるようです。

認知症と発達障がいの違い

認知症とは単に物忘れだけでなく、様々な症状が見られます。認知症と言っても診断名が色々で、レビー小体認知症や、アルツハイマー認知症など、診断によって症状が違います。

認知症という大きなくくりで見ると、物忘れや、思い込み、幻聴、幻覚、暴言暴力など、中には発達障がいと似たような症状が現れることも。これら認知症は脳の萎縮などが見られ、投薬治療をしながら進行を遅らせたりなどの医療的治療行います。

また、発達障がいも、診断によって特性は様々ですが、生まれつきの発達面でのアンバランスさによって、こだわりや、多動、記憶の課題、自傷他害、コミュニケーションの課題等があります。

また、認知症は進行性がありますが、発達障がいは進行性は見られず、特性とうまく付き合っていく事で日常生活を送ることができます。

認知症と発達障がいの違いは詳しい検査などを通してでもわかりにくい場合もあり、高齢者の認知症の方の中には元々発達障がいの特性を持った可能性がある方もいると言う医師もいます。

検査をしても認知症と発達障がいの区別がつきにくい

先にも書いたように、発達障がいと言う言葉を聞かれるようになったのは近年の事。最近では大人になってから発達障がいと診断される方も増えてきており、幼い頃にはそのような言葉や専門機関が無かったことから昨今になり、診断を受けるケースが増えているという現状もあります。それは大人になって社会の中で今までの自分の生きづらが発達障がいではないか?と受診を受ける方が増えているのです。

また、60歳を過ぎる辺から、認知症のリスクが増えることで、物忘れなどの症状=認知症、と思われがちになってしまうのです。その中には実は元々発達障がいの特性があるといった高齢者もいるのです。

とある医師は、

認知症と発達障がいの区別をつけるのはなかなか難しい

と言います。双方に特性の共通点があるからだと言います。

本人の昔からの性格や生活歴を辿ることで発達障がいと分かることも

昔からの状態を知る家族によって発達障がいと見極められることもあります。例えば介護への抵抗の仕方ひとつとってもそうで、介護への拒否が強い、自分で治療方針を決めたがる、介護全般に対して批判するなど、認知症であっても発達障害であっても、ありうる行動ですが、それが今に始まったことなのか、昔からそうなのかによって測ることができる面も大きいのです。

発達障害は、自身を客観視しづらく多くの場合、家族など周囲の人が発達障害を疑って専門外来などに連れてくることもあると言います。

さらに発達障害は、特性と呼べるものなのかどうかのグレーゾーンが大きく、診断しづらい面もあります。誰にでも気分の波があるように生活環境や人間関係などで症状が強く出る場合もあれば、不自由がないまま過ごせる場合もあるため、高齢になると更に分かりにくいようです。

認知症ではないかも?と思ったら

認知症か?発達障がいか?

高齢になってから発達障がいを疑った場合でも、悪化を防ぎながら治療を進めることはできる。発達障がいは認知症のように老年期から始まるものではありません。本人にその感覚がないからこそ、身近にいる家族の客観的な視点が欠かせません。間違った診断で苦しまないためにも、心当たりがあれば一度、専門外来を受診してみよう。

関連記事

  1. 高齢者・定年後の再就職・高齢者雇用の現状

  2. 高齢の親・家族介護・施設入所を考える時期

PAGE TOP