発達障がい・コミュニケ―ションがうまく取れない人への関わり方

※当ページのリンクには広告が含まれています。

PR/広告

短的、明確に伝える・ひとつずつ伝えながら確認、場の空気を読む練習が効果的

発達に心配を抱えている方の中にはコミュニケーションがうまく取れないことで人間関係がうまくいかない方も多くいます。コミュニケーションと言っても言葉の理解だけでなく、相手の気持ちをくみ取りながらその場に合った言動をうまく使い分けることが難しい方もいるのです。いつも相手をイラッとさせてしまったり、会話の中に急に割って入り、関係ない自分の話をしたりなどいわゆる空気が読めないことで周りから変な人とと思われる方もいます。また、言われたことを理解し行動に移すことが困難な方もコミュニケーションの難しさを要因でもあります。

札幌 福祉支援相談 プリズム 吉田綾子

そのような言動はわざとではなく、本人としては相手とのコミュニケーションを楽しんでいるという思いなどから悪気が無い事がほとんどです。逆に相手の気持ちや場の雰囲気を感じ取ることが苦手なために、そのような言動になってしまうのです。児童であれば、児童デイサービス等の療育機関では、そのようなお子さんにへ関わり方を具体的に伝えていき、小集団の中で学んでいくような関わりを持ちます。日本人特有の『あいまいさ』は彼らにはなかなか理解しにくいのです。逆にマニュアルに基づいたものであればその通りに忠実に出来るという特性があるのです。

私たちは本来、相手の言葉にならない思いを組み取ったり、その場の雰囲気を感じながらコミュニケーションを取ろうとしますが、コミュニケーションが苦手な発達障がいの方の中には、その雰囲気や言葉にならない思いを感じ取ることが困難な人が多いのです。

ならばどのようなコミュニケーションを伝えて行けばいいのかと言うと

  • 短的に伝える
  • 明確に伝える
  • ひとつずつ確認しながら伝える

そして

  • 場の空気感を読む経験を積み重ねること

で、少しずつ相手との関わりが円滑になっていきます。ただ、経験を積むことは発達障がいの方々にとって一進一退でもあるために、全てをクリアできるとは限りません。スモールステップでも経験値を重ねることはとても大事なのです。

短的・明確に伝える

よく社会人になってから発達障がいと診断される方の中には、上司からの指示が理解できないことで自信を失う方がいます。会社と言う組織の中では日々業務に対する指示を複数受けることが多く、今まで教育と言う枠の中では、その指示がうまく理解できなくても周囲のサポートがあったことでうまくこなせていました。教育から会社と言う組織に変わり、スピードや正確さを求められることで、複数の指示に対応しきれなくなるのです。上司や先輩の指示がいっぺんに来て、半ばパニックになってしまい、鬱を患って退職したという方もいらっしゃいました。

ご本人が話の内容をうまく理解してそこから必要な情報だけを抜き取り指示としてこなすには、こちら側が、ひとつひとつ明確に伝える必要があります。そして、一度に二つ以上のことを伝えず、やってほしい仕事や事柄だけを伝えることも有効なのです。

『12時に来客があるので、お茶と昨日頼んでおいた書類を用意してください。』

『12時に〇〇様がいらっしゃいます。』

『次に、お茶を2人数分入れて持ってきてください。』

『お茶を持ってきてくれたら、昨日頼んでおいた△△の資料を持ってきてください。』

このようにひとつひとつ確認しながらメモを取ってもらうなどして伝えていきます。

また、子どもの場合も同様です。

『宿題が終わったら部屋の片づけをしておやつにしようね』

『今から宿題をしてね。今日は宿題は何があるの?』

『宿題終わった?じゃあ次は部屋の片づけをしてね。机の上の本を本棚に戻して、脱いだ服を洗濯機に入れてね。終わったら教えてね。』

『片づけ終わったかな?じゃあおやつにしましょう』

これらはあくまで例ですが、その人によって伝え方の方法は様々です。ただ、明確さと短的さは念頭に置きながらその人に合った方法を模索していきます。

また、伝えたことの確認を一緒にすることで次に何をすべきかの明確なことが分かりやすくなり、本人も自信をもって行動できるようになっていきます。これらは反復的に学んでいくことで、習慣的に少しずつ習得していけるようになっていきます。

相手の気持ちをくみ取る・場の空気感を読む

これはなかなか長い年月かかって取り組むべきコミュニケーションの課題となる方も多いと思われます。そもそもコミュニケーションはその時、その人との関わりの中で多様な対応をしなければいけませんが、発達障がいの特性として、多様で明確でないこと、TPOに合わせてと言う頭の転換がなかなか出来にくいとされています。

相手の気持ちをくみ取る練習は乳幼児、児童期の療育であれば様々なツールを用いて少しずつ経験値として積み重ねていくことは可能です。その一部をご紹介します。

【ソーシャルスキルトレーニング】

認知行動療法、ソーシャルスキルトレーニング(SST)と呼びます。人が社会で生きていく上で、必要な生活の技術を習得するツールです。生活の上で『していい事』『してはいけない事』などの社会のルールを学んでいきます。具体的には社会のルールを学びながら結果を受け止めることを理解していくのです。児童であれば絵カードが2枚あり、正しいのはどちらかを視覚で理解していきます。例えば、ゲームで負けたらというカードが2枚あったとします。1枚目は負けても相手の勝利を一緒に喜んでいる姿と、もう一枚は相手にイライラして、手を出している絵があったとします。どちらが適切かを一緒に考えの理由も一緒に考えながら意見交換をしていくのです。なぜそうなのか、自分ならこのようなことをされたらどう感じるかを客観的に見れるようになるツールでもあります。

一般社団法人SST普及協会

【ABA・応用行動分析】

主に自閉症児に使われ始めた手法です。問題と思われる行動にのみ焦点をあて、その行動を分析し、行動を正していきます。

[行動の原因を見つける]

・要求・活動の実現(~がしたい、~が欲しい)

・回避(××したくない・されたくない)

・注目されたい(見て、構って)

・感覚刺激(なんだか楽しい・気がまぎれる)

[分析]

子どもの行動の原因を見つけ、それに合わせて行動していきます。これをABC分析と言い、行動の状況、行動、行動の結果に当てはめて考えていきます。

 おもちゃ売り場で子供がもちゃが欲しくて泣いてせがんだ

 おもちゃを買ってあげた

 泣いて訴えることでおもちゃを買ってもらえるとインプットされた

この行動を繰り返すことで問題行動が起きると考えられています。

ABAの考えは『叱らないで褒めて育てる』という考えです。

一般社団法人 日本行動分析協会

大人になってイアラでもSSTは有効です。なぜそうなのか、そうしなければ相手はどう思うのかを支援する側が明確に伝えながらその都度行動を一緒に確認することで気を付けていくことは出来るようになっていきます。

まとめ

成長するにしたがってコミュニケーションの難しさに悩む、発達障がいの方は少なくありません。支援する側や家族がその原因とどうしたらいいにかの方法を伝えることで少しずつ意識できるようになっていきます。完全に出来るようになるというのではなく、少しずつ出来るようになるという小さな目標を定めながら経験を積み重ねていくことが大切なのです。コミュニケーション方法を学ぶには小さなうちからの積み重ねが大事と考えます。

  • 短的に伝える
  • 明確に伝える
  • ひとつずつ確認しながら伝える
  • 相手の気持ち、その場の空気感を読む経験値を重ねていく

これらを周囲が出来るようにと求めるのではなく、一緒に経験を積めるような関わりを行っていくことが大切なのです。特に相手の気持ちを理解することや場の空気を読むことは苦手であり、経験を積んでもなかなか本人が『なぜ』『どうして』と理解できないことが多いかと思います。本人の自尊心や自己肯定感が失われないような伝え方や、SSTなどのツールを使って似たような事例を検討していくことでゆっくり理解していきます。

コミュニケーションだけでない発達障害の様々な支援者の会に本人が参加することを勧めるのも、コミュニケーションスキルを身に着けるひとつの方法だと思います。そして、同じ悩みを抱えている人たちの話を聞きながら自分を客観視できることもコミュニケーションスキルの向上につながるかもしれませんね。

参考までに

発達障がいの当事者リンク

札幌発達障害当事者会

関連記事

  1. 我が子が発達障がいかもしれない・発達検査をしてくれる機関と行…

  2. 小1の壁・発達の心配が出てくる時期と発達相談機関

  3. 発達障がいとの向き合い方

  4. 大人の発達障がいが見つけにくいその理由

PAGE TOP