介護と食の関係は長生きのコツでもあり高齢者の楽しみでもある

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食べることは生きること、介護に置いて大切な食

食は私にとって子育てだけでなく、介護においても大きなテーマでした。

『食べる』という楽しみを、いかに長く続けさせてあげるか・・・

母が後半食べ続けていた食事は、離乳食のような、ドロドロしたもの・・・

いわゆる『ミキサー食』というものです。

施設や病院で、母のお膳を見ても、今日は何のメニューなのかがわからないことも多く

同室の方々の食事を見て、今日は煮物なのね、味噌汁の具はホウレンソウなのねと、わかるのです。

病院食、施設職は、いかにご本人が栄養を取れるかが最大限の義務のような感じがしました。

介護食の形態は、様々です。

1人1人の嚥下の様子や病状に応じて、食形態も変わります。

一般的な私たちが食べている、普通食、アレルギーや病状によって食べてはいけないものを除いた除去食、飲み込みなどの状態に応じて、細かくする刻み食、咀嚼が難しくなった時のミキサー食、また、飲み込みを手伝ってくれる『とろみ』を付けながら食事にかけることもあります。

他にも、介護においては色々な食事の形態があり、1人1人違った携帯で食事が提供されるのです。

それでも母はおいしそうにとか関係なく、ただただ必死に食べていた

そんな施設の食事を、母は必死で食べていました。

そう、美味しそうに、ではなく必死に・・・

きっと

食べないと元気になれない

そんな思いが強く、母にとっては『生命を維持する食べ物』という感じだったのかもれません。

母が、施設から外泊してくると、父は決まってそのままの食事を、ちょっと刻みをいれただけで食べさせてしまうので、外泊後は決まって、誤嚥性の肺炎を発症してしまいました。

母も私が、とろみや、ご飯を柔らかく炊いたりすると、

いらない、こっち(父が食べているのもの)が食べたい

と言い張り、結局父も食べさせてしまうのです。

嚥下(飲み込み)が困難になった高齢者が普通食を食べるのは命に係わることでもあります。誤嚥性肺炎はその典型的な『危険信号』のひとつです。

母は最期は誤嚥性肺炎を繰り返し、体力が落ちて亡くなりました。

※誤嚥性肺炎とは?・・・物を飲み込む働きを嚥下機能、口から食道へはいるべきものが器官に入ってしまうことを誤嚥という。嚥下機能障害のため唾液や食べ物、あるいは胃液などと一緒に細菌を気道に誤って吸引することにより発症する。

誤嚥性肺炎の可能性が高くなると体力も奪われ、命の危機に晒される

母は、何度も何度もむせては、一口を5分くらいかけて飲み込む・・・

そんなことの繰り返しで、いつも食事には2時間ほどかかっていました。

嚥下(飲み込み)が困難な人にとって、飲み込みに数分を要することや、食事に長時間時間をかけることは、命に係わることと言っても過言ではないかもしれません。

実際母も、食事中にむせて、窒息しかけたことが何度かあります。

最期の最期まで母は普通に食事をすることを望んで、看護師やドクターを困らせていました。

母にとって介護食を食べることは、おむつと同じで(どんなに失禁してもおむつも最期まで拒否していたのです。)屈辱的なことだったのかもしれません。

でも、誤嚥性肺炎にかかってしまうと母の体調は見る見るうちに悪化し、体力も急激に落ちていきました。

誤嚥性肺炎を落ち着かせるのは、絶食しかないからです。母も、数か月の絶食をしながら栄養剤を点滴し、リハビリの一環で少量のとろみがついた栄養剤を飲んだだけでした。口から食べるということは、いかに大切なことかと、母の経験からよくわかりました。

介護の仕事をしていた頃、重度の障害者の施設で、同じように経管栄養だけで生きている方も何人かいらっしゃいましたが、その方々は1日のうち1食は少量でも口からの栄養を取ることが出来ていたので、その生活を維持できているようでした。でも常に誤嚥性の肺炎と背中合わせな日々を送っていたのです。

介護において食事は命の源であり、ご本人の支えでもある

食べたい

たべさせて

母は、亡くなる数日前までそう訴えていました。

母にとって食事は『命を繋ぐ大切な生活習慣』だったように思えます。

高齢者のデイサービスで働いていた時、利用されるほとんどの方はいつも昼の食事を楽しみにしていらっしゃいました。

今日のメニューは何?

家ではこんな色々なものが食べられないからいつも楽しみなの

そういってくださる方も少なくありませんでした。

この年になるとね、食べることしか楽しみがないから、ここで食べるご飯はいつも楽しみにしているの。

という方・・・

同じメニューでも家で1人で食べるより、ここで皆で食べるほうがおいしく感じるよ。

介護において、食事は色々な意味を持つ気がします。

今では、介護食も見た目を重視しながら、おひとりおひとりの体調や状態に合わせて、食べたくなるような色どりで作っている施設も多いようです。

最期の最後まで口から食べることにこだわった母・・・

今はあちらで好きなものをお腹いっぱいに食べているかな・・・^^

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