介護が必要だと感じる瞬間は?
私は母の介護を32年間行ってきました。最初の10年程は母は自分で出来ることが多かったので、メンタル面での支えだけで、身体的な介護はあまり必要とはしていませんでした。体調にも波があるので、動けない寝込んでしまう時は、身体介助が必要にはなりますが、数日間の身体介助でまた自力で動けるようになるので見守り介護で何とかやり過ごしてきました。
しかし、次第に身体機能が低下してくると、転倒から肩を骨折して入院したり、歩行が困難になり車いすでの時間も長くなってきて、家族がいない時間にも目が離せなくなってきたことから、介護保険を使うことに家族間で何年も話し合いをしてからの利用になりました。

家族の突然の病気などで突然介護が必要になったという以外は、なんとなく家族の看病や生活のお世話をしていたのが実は介護だったという流れが多いのではないでしょうか?そこから家族間での負担が大きくなり、そろそろ介護保険の申請をしてヘルパーなどの利用をしようか、という流れが多いかもしれません。
そんな家族のお世話をしていると、ついついまだ頑張れると思い、家族間で無理をしてしまうケースも少なくありません。どのタイミングで、ヘルパーなどの支援をお願いするかを、少しずつ話し合うことも必要なのです。
ご本人が介護保険を拒否されるケース
介護を家族間で行っているケースの中で、介護保険を利用してヘルパーなどのサービスを使うことにご本人が拒否をされるケースも少なくありません。家族と生活を共にしていることで、ご本人が介護をされているとは感じていないケースや。認知症が進んで拒否されるケース、知らない人を家に上げることに難色を示すケース、人に頼ることが恥ずかしいことと思っているケースなど様々な理由があります。

いずれにしても、介護を受けられるご本人がヘルパーなどの支援を入れることに拒否がある場合は無理強いはできません。話し合いが出来るのであれば話うことが必要ですが、家族間だけではなかなか堂々巡りで解決にはつながらないケースも多いのです。家族間での話し合いが難しいなら、第三者に入ってもらうことも一つの方法です。
- ご本人が通院している医療機関から話をしてもらう
- 親戚など身近な人に入ってもらう
- 介護保険を利用しているご本人の知人やご友人などから話を聞く
- 地域包括や自治体にご家族が相談する
等色々な方法を考えながら段階を踏んで話をしてみることをお勧めします。
それでも介護を拒否されるときは
介護される高齢者にとって、自分はまだそんな段階(歳)ではないと思う方も少なくありません。また、昔の古き良き昭和時代では、家族が高齢者のお世話をするのが当たり前で、第三者の手を借りることは恥ずかしいことと思う方も多かったりします。また、拒否をする中に、自立心が高かったり、家族以外の他人が自宅に来ることに不安を抱いている場合もあります。そんな理由をじっくり聞きながらゆっくり進めていくことも大切になるのです。そして、介護する側の価値観や思いを押し付けないことです。
訪問介護の事業所によっては、実際にヘルパーが無料体験訪問をしてくれる所もあります。実際の支援を体験することで、イメージがついたり、雰囲気が分かることで不安が解消されることもあります。
反対にご家族がヘルパー利用に不安を感じている場合
ご本人よりもご家族が介護保険利用にあたって、第三者にお願いすることに難色を示すケースもあります。
不安の要因としては
- まだ家族間の介護で頑張ることが出来る
- 高齢者虐待などののニュースなどを見聞きして不安感が強い
- 家族である自分が人に介護を任せることへの罪悪感がある
- 周囲(親戚など)が反対する
と色々な思いが絡み合って、現状は大変なのに、頑張ってしまうケースも少なくないのです。得に、まだ第三者の手を借りなくても、頑張れると、思いながら頑張っている最中に、介護する側が急に病気などで倒れてしまい、慌てて相談に見えるケースもあります。そうすると、介護保険申請までに時間もかかってしまい、すぐには利用できないことでどうすることも出来なかった、というケースも割と多いのです。
今は介護保険を利用しないとしても、やはり、介護する自分に何かあったときにどうするかを考えて、相談することをお勧めします。
まとめ
介護する側、介護を受ける側、いずれにしても今は利用しなくても介護保険利用のことは考えておいた方が安心だと思います。
我が家も母が介護保険利用するまでに何年もかかりましたが、申請したとたんに父が病気になり、サービスを割とすぐに利用することで私も慌てることがありませんでした。
【介護の相談機関】
- かかりつけの医療機関
- 地域包括支援センター
- 各自治体
【介護そのものの相談をしたい】
- 自治体相談窓口
- 地域包括支援センター
- 民生委員
- 地域によっては市民団体などで介護の自助会を行っているところもあります。
ちなみに札幌市の民間の介護相談場所もいくつかあります。
中には介護保険を使わない介護サービス事業所もあり、何回か利用をしてみて介護保険を申請する方もいらっしゃいます。料金的には高めではあります。

ご家族の介護負担だけでなく、ご本人がこの先どうしたいのか?どんな体調に変化があるのかを想定しながら、うまく「第三者の介入」をしてもらうことで社会からも孤立することなく生活していくことが介護には一番大切なことなのかもしれません。