ヤングケアラー支援・虐待と子供らしい生活

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ヤングケアラー・家庭内に隠れている児童虐待ケース

ヤングケアラーとはこのような状況の子ども達を言います

※ 障がいや病気のある家族に代わり、買い物・料理・掃除・洗濯などの家事をしている

※ 家族に代わり、幼いきょうだいの世話をしている

※ 障がいや病気のあるきょうだいの世話や⾒守りをしている

※ ⽬を離せない家族の⾒守りや声かけなどの気づかいをしている

※ ⽇本語が第⼀⾔語でない家族や障がいのある家族のために通訳をしている

※ 家計を⽀えるために労働をして、障がいや病気のある家族を助けている

※ アルコール・薬物・ギャンブル問題を抱える家族に対応している

※ がん・難病・精神疾患など慢性的な病気の家族の看病をしている

※ 障がいや病気のある家族の⾝の回りの世話をしている

※ 障がいや病気のある家族の⼊浴やトイレの介助をしている

その中には家族のケアをしながら、虐待的な扱いを受けている子供もいます。

家族の世話や家事などを暴力やコントロールのような、力と支配で押さえつけ、学校へ行くことすら許されないというケースもあります。

家族が精神的な疾患を抱え、子供を養育する力が無かったり何かしらの疾患を抱えた家族の世話と仕事で保護者自身に余力がなく、子供が何かしらの手伝いをする中で保護者が依存してしまった結果、虐待に繋がることもあるのです。ただ単にヤングケアラーとは、家族間で助け合いながらその一端を担っている子供たちと言うわけでもなく、児童相談所の一時保護に繋がりかねない家庭もあります。ヤングケアラー自身はその環境下でも、それが当たり前と思い、外へヘルプすら出さないため、気づきにくいケースもあるのです。

学校へ通わせない事も虐待に当たる

ヤングケアラー家庭で、保護者やその家族がヤングケアラーに学校へ行かせない事は、虐待に当たります。本来であれば、全ての子どもは教育を受ける権利を有しており、それは人権の尊重にもあたるのです。しかし、教育を受ける権利を本人の意思とは関係なく家族や身近な人が阻んでしまうことは子どもの権利擁護に反する事なのです。

過去にこんなケースがありました。

母親が精神疾患を持っており、父親はどこにいるかわからない状態の家庭でした。生活保護を受けながら、母親は3人の子どもを抱え治療していたのですが、ギャンブル依存もあったため、保護費が出るとギャンブルに使ってしまいます。小学生の子どもは学校に行かせると何かとお金がかかる事、下の2人のきょうだいの面倒を見てもらうことで自分はギャンブルをしに出掛けられることで、学校へ行かせず、家で下の子ども達の面倒を見させていました。

その真ん中の子どもが当時私が勤務していた児童デイに通っており、送迎に行くといつも上のお姉ちゃんしかいません。基本送迎時に成人以降の保護者がいないと受け渡しは出来ないと保護者に話しているのですが、いつも母親は出かけており、送迎時に電話を入れます。電話を入れると近所のパチンコ屋からいったん帰宅するのですが、どうやら職員が子供を渡した後また夜遅くまでパチンコ屋に入り浸っているようだったのです。

当然ながら児童相談所へ通報しました。しかし、子供たちの証言と、デイが実態を正確に把握しているわけでもなかったっため児相はそれ以上は動いてはくれませんでした。

ですが、近所の方からの通報で、ようやく子供たちは保護されたのです。夜遅くまで母親が帰ってこないために、下の子ども達は夜遅くに外に出ていたり、下の2歳の子の泣き声が夜中までしていたり、何より毎日のように子ども達3人で近所のコンビニにお弁当などを買いに行くことで近所の方たちは気になっていたようです。

児相が訪問した夜に子供たちは保護されました。その後、母親は精神疾患の治療のため入院をし、子供たちは児童養護施設で暮らすこととなったのです。

上の子はようやくきょうだいの面倒と母親のメンタルサポートから解放され、学校へ通うことが出来るようになりました。

ヤングケアラー支援には様々なケースを想定する

ヤングケアラー支援は上記のイラストのように様々なケーズがあります。中には虐待ケースもあるということを想定しながら、様々な機関が関わりながら子供たちの安全、生活を確保することも必要になっていきます。

ヤングケアラー家庭がどのような家庭で家族構成や兄弟関係、親戚関係、近所付き合いなど、情報が多ければ多いほど支援の方向性や様々な関係機関へ繋ぐこともできますが、ヤングケアラー家庭ではなかなかその実態を把握することすら困難なケースがあります。そのためにも支援者は福祉、教育、医療、地域など様々な機関との連携が必須になります。時には外国籍の親の親の通訳をしているヤングケアラーが病院等の付き添いに行く等のケースもあります。

そんな時は通訳を確保するなど、想定外での支援もあり得るということです。

ヤングケアラー支援者はどのような支援を想定しておくべきか

ヤングケアラー支援者は様々なケースの想定をしながらヤングケアラー家庭に関わることが大切です。そのためには様々な情報を得ることや、地域とのつながりなど、福祉の支援者であれば、福祉以外の分野の支援者との繋がりなどをあらかじめ確保しておくといいでしょう。また、支援者が出来うる支援を職員間、事業所内で把握しておくことが大切です。事業所としてのヤングケアラー支援の方針を各自治体の条例や方針と照らし合わせながら、マニュアル的なものがあるといいでしょう。

その中には児童相談所や福祉課等、虐待ケースに備えての体制を整えておくことも必須となります。

〇ヤングケアラーを取り巻く家庭環境の把握

〇どのようなケアを行っているかのヤングケアラーが行っている主なケア

〇学校へ行っているか等ヤングケアラーが関わる機関の確認

〇その家庭の経済状況

〇対象の家族(ケア対象者)の健康状況や通院状況等支援状況

〇家庭内での課題の把握

〇家族の構成からきょうだいや保護者の細やかな状況(虐待が無いかどうかも含めて)

主にこれらの事は最低限把握しておく必要があると考えられます。他にも、家庭環境によっては必要な細やかの情報の把握が必要になってくるかと思われます。これらを把握し、必要な機関や専門家へ繋いだり相談するなど、情報があればあるほど支援の幅は広がるのです。

大切なのは子どもらしい生活を送れるように支援の方向性を考えること

虐待のケースの中には、ヤングケアラー自身がきょうだいの面倒を見ることでストレスなどから虐待を行うケースもあります。ヤングケアラーの核となる対象児童だけでなく、きょうだい間の関係性にも注目していくべきです。ご存じの方も多いかと思いますが、数か月前に兄が面倒を見ていた妹を殺害してしまった事件がありました。このきょうだいは、それぞれ別々に児童養護施設で育ち、母親が2人を引き取ったが兄に妹の面倒を見させていたケースでした。母親のネグレクトが招いた事件ですが、兄もまたヤングケアラーと言えましょう。

きょうだいの面倒を見させられるヤングケアラーにとってそれが当たり前と思っていても、ストレスは溜まりますし、何で自分だけ?と思うことだってあります。子供たちの心のしこりを解放してあげること、支援の手を入れることで、このような惨事を防ぐことは可能なのです。

ヤングケアラーの中には、子供らしい生活は許されない環境下に置かれている子供たちもいます。本当はもっと親に甘えたり、友達と遊んだり、普通の生活を望んでいるのは言うまでもないでしょう。

彼らが子供らしい生活を少しでも送れるように支援をすることが私達支援者の一番の課題でしょう。

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