パーキンソン病の母に有効だった音楽療法

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リハビリの一環で言語聴覚士による音楽療法を知っていますか?

パーキンソン病で長く闘病していた母にとって、リハビリの時間は楽しみな時間でもありました。元々、椎間板ヘルニアの手術を2度行っている母は、リハビリを長く続けており、体を動かすことを意識していました。パーキンソン病になってからは、父と毎朝ウォーキングをしたり、家でもラジオ体操をしたりと意欲的ではあったのです。

なので、病状が進行しないようにと、リハビリは熱心で毎週病院へ通ってはPT,OT,STのリハビリを受けていたのです。

PTとは理学療法士による体全体の機能を整えるリハビリが主で、OTとは手先などの細かい動きを見てくれるリハビリ、そして、STとは、口周りの機能を見てくれるリハビリです。

母は特にSTによるリハビリをいつも楽しみにしており、その中でも歌を歌ったり、母の大事にしていた大正琴を弾きながら歌を歌うのが何よりもリハビリの励みとなっていました。

母に長年ついてくださったSTの方は、音楽療法士の資格も持っており、口腔機能だけでなく音楽による口腔機能のリハビリも行ってくれていたのです。元々、機嫌が良いときは鼻歌程度ですが動揺などを口ずさんでいた母。歌を歌うことは母にとって楽しい活動だったので、パーキンソン病の治療の一環にとても有効でした。音楽療法の日は母の振戦も落ち着いていたこともよくあり、好きな活動をすることで体中がほぐれてリラックス効果もあったのかと思います。

音楽療法士とは?

音楽療法とは、言葉の通り、音楽に触れることで精神的な安定感をもたらすとともに、歌う、聞く、演奏すると言ったことを行うことで、感覚を刺激する効果もあります。

母のようにうれしい、楽しいなど、行動的な活動を促す、ドーパミンが足りない疾患の方にとって、心地よいと感じるリラクゼーション効果や、楽しいと思うような感情を刺激することで、薬だけでない効果も期待できるのです。

また、懐かしい曲を聴いて昔のことを思い出したり、好きな曲を聴いて気持ちが明るくなったりと、私たちが何気なく感じていることが患者さんにとっては良い刺激になり、病気の回復や維持につながることも多いのです。

過去に勤務していた重度心身障害者の施設では、音楽を流す時間がありました。また、カラオケなどで思いっきりスタッフと一緒に歌を歌うレクレーションの時間もあり、歌えない方でも音楽を聴くだけで、表情が出たり、声を発する方もいました。また、高齢者の施設で勤務した時は、デイサービスでは毎週1度カラオケの時間があり、利用者さんの中にはそれを楽しみにしていた方もいらっしゃり、どんなに体調が優れない日でも、カラオケを歌いたいがためにいらっしゃる方もいました。

老健で勤務していた時は、童謡を主に歌い、重度の認知症の方が歌詞を思い出して歌ったり、音楽の日は起きて待っていらっしゃる方など、ちょっとしたレクレーションでも効果があると感じました。

私は音楽療法と言うリハ目的ではなくあくまでレクレーションの一環として、行っていましたが、音楽療法の専門になると、色々な効果をその方の心身の機能などから考察して行う専門家のことを言います。

音楽療法の効果とは?

母は言語聴覚士のリハビリの一環で、音楽療法を行っていました。丁度、STの方が音楽療法士の資格も取得していたことで、母の病院での楽しみが増えたのです(笑)母にとってもとても良い効果があり、リハビリの中でもこの音楽療法は一番だったかもしれません。

では、音楽療法で得られる効果とはどのようなものがあるのでしょうか?

【体への影響】

息を吸い込んで歌う等、深く呼吸することで体の中の血行や代謝の促しにつながります。そして、歌うことで顔や口周りの筋肉も使うので、表情も豊かになり、脳を活性化する効果もあります。

【心への影響】

声を出すということは、自分の感情を表に出すことに繋がります。カラオケがストレス発散という人も多いかと思いますが、お腹から声を出すことで気持ちを発散できる効果もあるのです。また、好きな歌や懐かしい歌を聴くことで、感情の表出が出来るのもあります。楽器を演奏することもこれに繋がります。

【コミュニケーションの向上】

好きな曲を歌ったり演奏したり聞いたりすることで、他の人とのコミュニケーションが生まれます。楽器を一緒に演奏するなどは相手との一体感が生まれ、コミュニケーションを取るきっかけにもなるのです。

音楽療法はあくまでも楽しんで行うもので、楽器を覚えさせたり、リハビリの一環として強要するものではありません。母も、自分で楽しむ分には好んで歌ったりしていましたが、リハビリとなると人と接することが嫌で、初めはあまり乗り気ではありませんでしたが、毎回色々な計画の元、音楽療法を行ってくださったので母自身が積極的に参加するようになったのです。同じ部屋の方と一緒に参加していると、その方とのコミュニケーションも増えていきました。今までカーテンを閉め切って生活していた母が日中はカーテンを開けて、同じお部屋の方と話をするまでになったのです。

施設で行う音楽療法はどんなことをするの?

音楽療法には、音楽を聴くという受動的音楽療法と、歌を歌ったり音楽を奏でる能動的音楽療法のふたつがあります。介護施設では、主に集団に対して実施され音楽療法士が演奏して受動的音楽療法として音楽を聴いてもらったり、伴奏をして合唱や合奏をしてもらう能動的音楽療法を行っています。

リハビリ施設や病院などでは、個別に音楽療法を患者さんの状態に合わせて行うことが多いようです。母も、個別に音楽療法を受けており、時には同室の方と一緒に受けることもありました。

集団や個別というやり方はありますが、いずれにしても患者さんや利用者さん1人1人の様子を観察しながらその場に適した音楽療法を提供しているのです。

音楽療法士は現在でも資格として持っている方は少なく、私の母は専門の方の音楽療法を受けられて幸せでした。

他の施設では、職員が音楽に触れるレクレーションの一環として行っている場合が多いようで、私も介護スタッフとしてレクレーションの一環として音楽に触れる時間を設けていました。その中でも、利用者さんがどのような反応を示したか?その時の状態はどうだったかは、記録に残し、ケース検討のひとつとなります。その中で次回どのような音楽のプログラムを取り入れたらいいのかをスタッフ間で話し合い決めていました。

終わりに

音楽療法と言うと、障害を持つお子さんに提供するプログラムと思われがちですが、大人の患者さんにもとても有効で、特に高齢者の方には入り込みやすく、しかも楽しみやすい療法でもあります。認知症の方が、音楽医療法の時だけ不穏にならずに参加出来て、歌を歌ったりする姿も見てきましたし、脳梗塞などの脳疾患で言葉が不自由な方が少しずつ声が出るようになってきたりと、人の持つ知全治癒力の過さを身近で見てきました。

母も、その一人で、振戦が酷くなっても、音楽療法をキャンセルしたくなくて、職員の方が、母のベッドの横で、小さなキーボードを奏でながら母の好きは歌を歌ってくれました。いつもなら激しい振戦は何時間も治まらないのに、その時は少しずつ治まってきて、最期は一緒に歌えるということもあったのです。母にとって音楽療法はとても良い薬でした。

私は発達に心配のあるお子さんの支援の仕事をして長いのですが、児童デイサービスに音楽療法の方をお呼びしていたことがありました。言葉がゆっくりな子、運動機能の発達がゆっくりな子が、音楽療法を通して、半年、1年後にはびっくりするような発達を遂げるケースを沢山見てきたので、音楽の持つ力は素晴らしいと思っています。特に成長過程である子供の力は無限大だとも感じています。

それを高齢者や障害者の施設でも同じような効果を見てきており、普段私たちが何気ない場面で歌ったり、歌を聞いたりすることは私たちの生きる源の一つなのかもしれないと思うのです。

介護をされているご家族の方々にも、ぜひ好きな音楽や歌に触れてみることをお勧めします。ちょっとのことですが、きっと心身の癒しにつながると思うのです。

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