介護を頑張っている方がかかりやすい介護うつ

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介護と言っても身体的な介護以外に色々な介護があります

介護と言うと、入浴、食事、トイレなどのいわゆる身体介護を思い浮かべる人は多いかと思います。身体介護がメインになる介護で介護する側が介護の負担を感じるのはどんな介護を言うのでしょうか?

私は母の介護を長年してきて、身体的な介護よりも、精神的な介護が辛く大変だと感じました。それは、母自身が精神的な苦痛を常に訴えてきたからです。

最初にパーキンソン病と診断されたときには、私はまだ高校生でした。母も50代後半とまだ若く、周囲は心身ともに元気に過ごしているのを横目に自分にはもう明るい未来や老後はないと半ばあきらめており、人生に対して夢も希望も持てなかったということも要因のひとつでした。

もう死にたい

生きている意味がない

あなたたちは私の辛さなんかわからない

と毎日のように、マイナスな発言を聞かされ、時にはうつ病のような症状に悩まされ自殺未遂をすることも何度かありました。そんな時、私たち家族は、母の精神的なケアが必須となります。特に父は母が不穏にならないように、落ち込まないようにと心の介護をしながら、母の愚痴をずっと聞いていました。

お母さんに心配かけちゃだめだぞ

お母さんに余計なことを言っちゃだめだぞ

心配かけることがパーキンソン病を悪化させることになるんだから

いつも、事あるごとにそう言われると、何時しか母の顔色を今まで以上に伺うことになり、母の愚痴を黙って聞いている自分がいました。

家族で介護をしていると介護する側が精神的に追い込まれメンタルを病んでしまうケースがありますが、身体的な介護だけでないご本人の心のケアもしながらの介護に疲れてしまうことが多いのです。

家族介護は孤独感を感じやすい

在宅で介護をしていると、世間から隔離されたような孤独感に陥りやすくなります。また、夜中のケアなどで寝不足などにから、精神的に心が休まる時間がなく、いつも張りつめている方も多いのです。

疲れがたまっていることすら気づかず、いつしか鬱症状になっていたというケースも少なくありません。

私も在宅での介護をしていた時、いつしか自分がおかしくなっていたことにすら気づきませんでした。毒親と言われるであろう母との確執が元々あったこともあり、母と向き合うことが苦痛で仕方がなかったのですが、それを無視してまでも向き合わざるを得ない状況をあえて作っていたかもしれません。

子育てと仕事と介護・・・いわゆるダブルケアをしながらの生活はいつしか心を蝕んでいったのです。

私は何をやっているんだろう?

このまま消えてしまえないだろうか?

何もかも疲れた、投げ出したい

いつしか無意識にそんなことを考えている日々でした。そのうち食欲がなくなり、眠れなくなり、摂食障害、パニック発作、鬱を患ってしまいました。仕事もできなくなり、当然、鬱の根源の母と顔を合わせると、調子が悪くなるので実家にも行けなくなりました。

お母さんが来ないって怒ってるから来い

と父からも言われ、メンタル的に調子が悪くなり、今通院している、というと

何言ってんだ!心の病気?そんなの気持ちの問題だ!今の若いもんは心の病気とか言えば休めると思って!

と一喝されてしまい、父との関係も悪化してしまいました。

でも、日に日にやせ細っていき、寝てばかりいる私を目の当たりにして、父は心配になったようでした。最後は父と母のことで苦しかったと訴えバトルになり、そこから父との関係は雪解けを迎えたのです。原因は色々な要因がありましたが、根底にあったのは母の介護によるストレスでした。

介護うつは知らないうちにやってくる

メンタルの不調自体が、気づかぬうちにじわじわと進行していくので、最近何だか体がダルいな、などと感じているうちに、色々な症状に悩まされ、気づけば進行していたということも多いのです。

介護による鬱には、どのような症状が見られるのでしょうか?

〇食欲不振・・・うつによくある症状です。何を食べてもおいしいと感じなくなり、食べることすら面倒になったりする人もいます。当然ながら次第に体重も減少していきます。

〇睡眠障害・・・眠れない、早く目が覚める、眠りが浅いなどのいつもとは違う症状が見られます。夜中に排せつ介助などがあり、いつも神経を張り巡らせている在宅介護をされている方では割と睡眠障害の方が多いと言います。

〇疲労感や倦怠感・・・激しい運動などをしているわけでもないのに、ちょっと動くと激しい疲労感に襲われます。または、激しい倦怠感や酷い肩こりや頭痛に悩まされ起き上がれなくなる人もいます。そんな症状が続くと、動くのが億劫になり、無気力になっていきます。

〇不安感や焦燥感・・・特に原因があるわけでもないのに、不安感や焦燥感が常にありいてもたってもいられないようになったりします。また、逆にイライラが止まらなくなり、自分を抑えられないなどの症状が見られることもあります。

〇憂鬱感や思考障害・・・気分の落ち込みが激しく、人と会うのがおっくうになります。また、考えをまとめたり、自分が何をしようとしているのかがわからなくなったり本を読んだりと言ういつもできていた行動が出来なくなってしまうこともあります。自分はダメだ、消えてしまいたい、などの思いが常にあり、自殺願望が出てきたり、衝動的に消えてしまいたくなることもあります。

私はこれらの症状を全て経験しました。いつもと違う自分にすら落ち込み、衝動的にマンションのベランダから飛び降りようとしたこともあります。幸い自宅にいた長男に止めれました。思考回路がおかしくなると、母への態度もおかしくなります。いつも自分がこの世から消えるか、母や我が子と一緒に消えるかを考えていました。

鬱症状がひどくなると、起き上がることすら出来なくなり、仕事を辞めてベッドやソファに寝ながら窓から見える空を一日中見ていたこともありました。

そのうち幻聴が聞こえるようになり、最終的には入院を勧められましたが、母の介護よりも我が子たちを置いて入院はしたくないと思い、拒否し在宅で過ごしていたのです。

母の所へ行くことすら恐怖で、携帯や家電がなると、心臓が激しくなかなり、パニック発作を起こすこともありました。母が普段から常に私に電話をしてくることが恐怖だったのです。

今日は何を説教されるんだろう?

などと、母の言動に気が狂いそうになりました。

介護鬱の原因とは?

そもそも、私は母の言動に一喜一憂していたこともあり、流すことが出来ない性格でした。真面目に忠実に母に従うことはしていなかったとはいえ、母の言った言葉の一言一句が常に頭に残り、悲しくなったり、怒りで眠れなかったりという生活が母がパーキンソン病になる前からありました。母の介護が始まって常に監視の目が私に向くことで大きなストレスが知らず知らずのうちに溜まって、爆発したのだと思います。

鬱症状になる人は、まじめでしっかり者が多いと言われます。相手の言葉や態度に忠実に従ったり、きっちりこなそうと常に頑張っている人に多いのです。

適度に手抜きや時には息抜きをしながら、受け流したり客観的に自分を見ることが出来る人ほど鬱症状になりにくいと言われます。

また、これは私の経験ですが、私の母のように親子の確執が根深い人は、どうしてもストレスが他の介護家庭よりも大きくなるのはあるのかと思います。母が毒親と言われるような言動を介護の中でも繰り返すことによって、私自身のストレスは今までとは比べ物にならないほど肥大化していったように感じます。

心療内科で何度も言われた

お母さんの介護から少しでも離れることが出来るのならば体調も少しずつ落ち着いていくと思います。

これはずっと言われ続けました。つまり、ストレスの根源から離れるということです。でも、そんなわけにはいかない現実が介護なのですよね。介護保険を使ってヘルパーなどの頻度を増やしていっても、身体的な負担は軽減されるだけで、精神的な負担は変わらなかったのです。母がいつも私に依存していたということも大きなストレスの要因でした。

鬱の解決の糸口は、カウンセリングと信頼できる友人や知人に話をして一時でも心を楽にすることでした。でも、それだけでは一時良くてもまた元に戻ります。

一番私が鬱から抜け出せたきっかけは、父に私の苦しみを受け止めてもらえたことでした。母との長年にわたる確執や、色々な苦しみを何気に訴えても父は適当にあしらい、説教されるだけだったのです。

そんなことで

今の若いものはダメだな

鬱?何言ってんだ、気のせいだ。全く弱すぎるな!

お母さんのことを悪く言うな!お前がそんな態度でいるからお母さんもイライラするんだろう。

元々何でも思ったことを悪気もなく口にしてしまう父も苦手でした。そんな父に今の苦しさを訴えても全く理解してもらえなかったのです。ある日、鬱症状が激しくもう消えてやろう!と言う思いで父と話をしたとき、私の中で何かが爆発しました。

生まれて初めて父の前で大暴れしたのです。それを見て父はようやく私の体調がおかしいことに気づき、母との長年の確執に気づいたのです。介護による負担も大きいことも理解してくれました。

その日から少しずつ体調が回復方向に向かっていきまhした。摂食障害で栄養失調にまでなった私が少しずつ食べられるようになり、日中起きていられるようになり・・・

父は

お母さんのことは無理しないで介護しなくていい、まずは自分の体を治しなさい。子供たちのことは少しでも手伝うから言いなさい。

父が180度変わったことも私が生きる希望が持てた理由です。家族が信頼しあい理解しあうことで介護の精神的な部分が楽になると経験上感じました。

介護鬱を引き起こす要因は様々です。ひとつ言えることは、その辛さを理解してくれる身近な人がそばにいるだけでも体調に良い影響を及ぼすのです。また、頑張りすぎている自分を時には客観的に見ることで、鬱になることを予防することもできます。

介護鬱の治療法としては、薬物療法だけでなく、カウンセリングなどの精神療法、そして、一番大切なのが療養です。これがなかなか難しいと思われる方も多いのですが、あえて短期間でもショートステイや支援の手を増やし、少しでも介護から離れることで回復することも多いのです。

介護生活は終わりが見えないだけに、あえて休むことを意識したいものです。

終わりに

介護生活は休むことすら許されないと思い、自分に負荷をかける方が多いように感じます。時には肩の力を抜いて、あえて介護から離れることを時々自分に許してみましょう。

私は父との関係性が変わり、理解者がそばにいると思えるようになったことで、あえて、母から離れて自分に休むことを許可することが出来るようになりました。それまでは介護から離れる自分は親不孝な最低な人間だと自分を責めることも多かったのです。

鬱症状になる前に予防と対策、そして、介護は時には離れていい、と自分に許可を出すことを意識することをお勧めします。

そう思えない自分がいても、決して自分を責めないでください。そんな自分はまじめでよく頑張っていると心の中で意図的に褒めてあげてほしいのです。

どうか、介護をされる皆さんが心も体も健康で、介護だけでないご自身の世界も持ちながら過ごせますように・・・

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