親の介護はまだ先と思っているあなたへ
親の介護、いつか来るその時、そうはいっても元気な親を見ているとなかなか先の事を考えられない、そんな方も多いかと思います。子育てがひと段落する40代は、そろそろ親の老いを感じる時期に差し掛かってくる時期でもあります。

実際に介護を経験した方の話を聞くと、
親の介護はある程度の心の備えが必要
と、多くの方が言います。私は母の介護を32年行ってきましたが、母の場合は徐々に要介護状態になっていったため、心の準備や生活がゆっくりと介護中心に変わって言った感じです。しかし、今父の介護をしていますが、月単位で様々な変化が起こっていき、母の時と比べると、介護が必要とする度合いが早い気がしています。これが
いつか来る親の介護と心の備え
なのかもしれません。介護が必要と感じた時はもうすでに介護をしている状況になっている場合が多かったりします。それは生活の中で徐々に老いが進行している状態でもあるため、どのタイミングで生活をどのように整えて行っていいかがわからない事もあります。
親と介護について話をする
これはとても大切な事でもありますが、親が元気なうちにそんな話は出来ないと、躊躇してしまう子供世代も多くいます。また、親世代が介護の話をすると機嫌が悪くなったり、悲観的に捉えてしまい、険悪なムードになったという話も聞きます。
しかし、介護に対する心構えやシュミレーションは必要です。親子で直接話しにくい場合は、第三者を入れることも効果的な場合があります。

例えば、知り合いや身内等の介護経験者に間に入ってもらい、介護の話をしてもらう、親が通院しているかかりつけ医などを挟んで話をしてもらうなど、ワンクッションがあれば親世代も素直に話を聞いてくれることもあるのです。
とある方は、生命保険の担当者が間に入って保険の話から介護の話にもっていってもらうことで、親も介護の事をじっくり考えるようになったという方がいました。お金が絡んでくると、我が子に介護でお金の負担をさせたくない、と言う思いと介護にかかる費用だけでなく子供への負担が大きいことも理解でき、タブーだった介護の事にお互いが理解しあえるようになったと言います。
介護で一番大変なことをその筋の専門家から話してもらうことで、今まで漠然としていたことがより現実味を帯びてくるため、ある意味効果的とも言えます。
介護保険やその他の支援もお互いに知っておく
介護保険の仕組みやどんなサービスが受けられるか等、その仕組みは調べてもなかなかわかりにくいかもしれません。そんな時もケアマネージャーや、地域包括支援などの介護保険のプロに聞いて親子で理解しておくことも大切です。
また、最近では介護保険以外の『自費サービス』の利用も増えています。
介護保険内で出来る支援は限られているため、それ以外を自費サービスでお願いすることで、安心した生活が遅れる方も少なくありません。
介護保険で提供できるサービスと、提供できないサービスをまとめておきます。

【介護保険内で提供できるサービス】
生活援助:
掃除、洗濯、寝具の整え、衣服の整理と補修、一般的な調理、買い物、薬の受け取り
身体介護:
食事介助、排せつ介助、入浴介助、衣服の着脱介助、通院・外出介助、就寝・起床介助
【介護保険で提供できないサービス】
- 散歩や趣味のための外出介助
- 金銭の管理や契約書の記入などの手伝い
- 同居する家族の援助となる洗濯、調理、買い物、布団干し、掃除などの家事援助
- 正月・節句などのために特別な手間をかけて行う調理
- 大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスかけ、家屋の修理、家具の移動や修繕
- 草むしりや花木の水やり、犬の散歩などペットの世話
- 車の洗車や清掃
- 来客にお茶を出したり、食事の提供
などがあります。これ以外にも細かい援助で出来ない事は結構あるのです。
これらの提供できない支援を定期的に自費で利用する方も増えています。自費サービスですので、1時間ごとでの料金が発生しますが、子供たちが遠距離に住んでいる場合などは定期的に家族が親のために頼む場合もあります。
どのような心構えが必要か
いつか来る介護に備えて、どのような心構えと準備が必要かをまとめてみました。

・介護保険の制度を知り、いざと言う時に何処へ相談していいかを知っておく。
・在宅介護の場合は、どの程度子供世代は関われるかを様々な趣味レーションを想定しておく。
・親の日ごろの体調を把握しておく
・かかりつけ医など医療機関の把握(病歴や薬)
・いざと言う時に使えるお金や通帳などの場所
・遠距離に親が住んでいる場合近隣の知り合いや友人関係、
これら以外にも家族に関わる事は細かにピックアップしていく事をお勧めします。いつか来る介護への様々な備えは早いに越したことはないのです。