生きるための介護食?楽しむための介護食?介護においてどちらを重視したらいいのか?

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介護食と言っても色々な食形態がある

以前の記事で母の食への思いを書きました。

母は最期まで生きるために食べることにこだわり続けたのですが、自宅へ外泊してくると楽しむための食を求めました。結果、外泊すると決まって誤嚥性の肺炎をおこし、何日も発熱と呼吸の苦しさ、絶食で不便な思いをしていたのです。

介護食とは、細かく言うと色々な食の形態があります。それは、ご本人の心身の状態に応じて違います。特に在宅で介護をしていると、食事つくりは結構負担になるという声も聞いたことがあります。

なので、レトルトの介護食を利用したり、配食を頼んだりと今では色々な選択肢もあり、安全で安心に食を楽しんでもらうことが出来るようになりました。

母は、パーキンソン病の症状の進行によって、体の筋力が落ちてきてしまうと、喉の筋力も衰え、声を大きく出すことが出来ない、口を大きく開けることが出来ない、舌をうまく動かすことが出来ない、よって呑み込みも難しくなっていきました。

段階的に口の筋力が落ちていき、柔らかい食形態から、刻んだ食形態、ミキサーでドロドロにした食形態に変わっていったのです。

では、介護食の形態とは、どのようなものがあるのでしょうか?

大まかな食の形態を挙げていきます。

【刻み食】 口に入れて噛みやすいように小さく刻んだ形態。筋力低下などで、口を大きく開けられない、かむ力が低下してきた方向けの形態。

【ソフト食】 食品を舌でつぶせるくらいに柔らかく煮たり、蒸したりする食形態。かむ力や、飲み込む力が低下している方向け。また、消化不良を起こしやすい方にも。

【ミキサー食】 食品をミキサーにかけて飲み込みやすいようにドロドロにした形態。サラサラしている場合にはとろみをつけて飲み込みやすいようにもする場合がある。あまりかむことが出来ず、飲み込む力も低下している方向け。

【嚥下食】 食品をミキサーにかけさらに飲み込みやすいよう、ペースト状にしたりゼリー状にする形態。飲み込む力が弱く、特に誤嚥が心配な方向け。

【流動食】 消化しやすいことを重視したスープや重湯などの液体状の食。消化する力が弱っている方向け。

高齢者にとって食にこだわる大切さとは?

食べることはただ単に栄養を摂取し、生命を維持するためのものでないことは、私の母エピソードからお話してきました。私たちも同じように食事は生活の中で生きる楽しみでもあり、精神的な安定をももたらします。

特に高齢者にとって、食事とは日々の生活の中で張り合いや、生きる源にもなるのです。また、刺激が少なくなる高齢期には、食事は唯一の楽しみという方もすくなくありません。私がデイサービスで働いていた時に、ほとんどの方が食事を楽しみにされ、デイに来ることの楽しみの一つとしている方が多かったのを覚えています。

また、高齢者は加齢とともに体の筋力が衰え、口周りの筋力や歯の方も弱くなり、かむ力が低下していきます。ですから、今までと同じ固さや大きさなどの食形態では、うまく食べることが出来ず、誤嚥性の肺炎を起こすリスクも高くなります。また、高齢になると、若いときのように沢山食べることが出来なくなるため、知らずのうちに栄養不足になって行くことも多いのです。

高齢者になると栄養のバランスも考えて食事をとらなくてはいけなくなります。栄養バランスが悪くなると様々な疾患など体調不良の原因にもなって行くのです。他にも内臓の機能が低下することで便秘や下痢などの消化器の不調にもつながります。そのために食欲が低下することもかんがえられるので、食べることへの意欲と、高齢者が美味しく食べることに繋がる調理方法はとても重要なことなのです。

介護食を作る時のポイントは?

在宅で介護をしていると、少し柔らかく煮たり、細かく刻むなど手間をかけることが難しいときもありますね。特に他の家族の食事と同じように作ってから手を加えることが大変ということも多いかと思いますが、介護食は先にも書いたように、ご本人の命を守るためと、生活の中に楽しみという張り合いを持たせるためには手を加えてあげることが大切になります。

では、介護食を作る時にどのようなことに気を付けたらいいのでしょうか?

※ 不足しがちな栄養素を含む食品を使う

高齢者は栄養不足に陥りやすいため、献立を考える場合に全体のバランスを考え、不足しがちな栄養を意識して入れることが重要です。

・タンパク質・・・卵、肉、魚、豆類など

・カルシウム・・・乳製品、しらす、豆腐など

・食物繊維・・・ごぼう、イモ類、海藻類など

・ビタミン・・・レバー、緑黄色野菜、シジミ、魚など

※ 噛みやすいように工夫する

栄養不足に陥る要因の一つとして、歯や口周りの筋力の低下で噛むことが難しくなっていることが多いのです。普通に調理したものは高齢者にとっては固くて食べにくいことも多いため、刻んだり、切れ目を入れる、柔らかくするなどのひと手間を加えることで食べられるようになります。

※ 飲み込みやすいように工夫する

噛む力と同様に飲み込む力も低下しているので、柔らかく煮たりむしたり、小さく刻んで、とろみをつけるなどすることで、ご縁や窒息を予防することが出来ます。

※ 塩分を控えめにする

加齢とともに血圧が高くなる高齢者も多いので、塩分を控えめにすることをが大切です。ただし、塩分を控えるあまり薄味になりすぎてしまい満足感が減ってしまってはおいしく食べることが出来なくなることもあるので、出汁をしっかり取ったり、色々な調味料を使って味のバリエーションを変えるなどの工夫をして塩分を控えましょう。

おわりに

介護食という言葉を聞くと、おいしくない、味気ない、ということを連想されがちですが、実は工夫次第で、おいしい食事にできるのです。

今ではムース食と言って、ミキサーでかけた食材を寒天などで、固めて見た目も、綺麗に盛り付けられた食の方法もあります。まるでフランス料理のような見た目のムース食もあるのです。

高齢者にとって今まで何十年も食べ続けてきた食事が次第に食べられなくなり、食への意欲も低下することは命をも脅かしてしまうことにもなり、ご自身にとっても寂しいことでもあるのです。

食の形態が変わっても、味も見た目も良くて引き続き食を楽しめることが高齢者にとっては生きる張り合いでもあるのです。そんな介護食を少しでも家族として提供できればいいですね。

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