認知症の世界を理解する

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認知症の行動の理解

認知症と聞くと、色々な記憶が失われ、徘徊や同じことを何度も聞く、昼夜逆転するなど、大変と言うイメージがあります。ましてや家族であれば、ずっと接しているだけに、認知症なのか、ただの物忘れや性格の問題なのかが理解できないという場面に日々遭遇し、家族もストレスになるケースも少なくありません。けれど、認知症の方の見ている世界を理解すると、その人の言動が受け入れやすくなり、介護もしやすくなります。対応のヒントになる認知症の症状や特徴を理解しストレスを軽減する方法をお伝えします。

かく言う私も家族介護の真っ只中・・・介護の仕事をしていた時とは全く違う、家族の認知面と向き合っています。ストレスもたまりますし、ついキツイ口調で言ってしまうことも多々あります。そんな時、介護を受ける側の気持ちを少しでも理解しようと、一旦気持ちを落ち着けながらリセットすることも必要と日々学んでいる最中です。

認知症の方を理解するためのポイント

〇認知症の方の世界を理解する

認知症の方はご自分も物忘れが頻回になったり、出来ていたことが出来なくなるなどのある程度の自覚があります。家族など身近な人たちから、その行動を指摘されることで、不安になったり逆に自分を肯定しようとする行動も見られるのです。

〇その方の世界を大切にする

認知症になると、同じことを何度も聞いたり、物忘れが激しくなったりと様々な症状が出てきます。元々の性格もありますが、何となく認知症の傾向が強く見られるなど、家族としては今までのご本人の姿から考えると、認知症の症状から来ているものなのか?そうではないのかがわからなくなる、という声もあります。かく言う私も、元々頑固な性格の父を知っているからこそ、認知面の低下からくるものなのか、元々の性格からくるものなのかがわからないことも多々あります。しかし、その方の元々の性格も含めて、『その方の世界』なのです。親であれば、子供が知らなかった親の世界があるはずです。それも含めて受け入れ、受け止めること、その世界を大切にしながら介護をすることがお互いにストレスなく生活できる方法でもあります。

〇プライドを傷つけない

人生の先輩であり、様々な人生経験を積んできたからこそ、その方が持つプライドは人それぞれです。その中にはその方が社会の中で築いてきたプライドが大きく影響していることもあります。医師であった方は、医師であった時のプライド、教員であった方は、教員であった時のプライド、等、その時自分が輝いていた時代の栄光やプライドなどは認知症になっても薄れてはいません。逆にそのプライドを保つために、周囲にとっては頑固や物分かりが悪いなどと、捉える場面もあるでしょう。

これが、認知症介護の大切なポイントです。本人が自尊心や安心感をもって暮らせるように対応することが大切なのですね。
時には認知症の方の話に合わせるために、嘘をついたり不本意な対応をしなければいけない場面もあるかもしれません。それでも、その人の気持ちを理解して受け止めることが、結果的に介護の混乱や負担を減らし、安定した介護につながります。

認知症の世界はその方が常に自分の事を理解できないわけではありません。日によって、または、環境によってでもしっかりしている日もあれば、認知症の症状が顕著に出る日もあるのです。初期の頃はその傾向があることで、ご本人も戸惑いと混乱を招き、精神的に不安定になる場合もあります。その時に家族など身近な存在にイライラをぶつけることもあり、家族としてもストレスがたまることも増えます。

家族が認知症とわかったら

初期の頃は、物忘れや、記憶があいまいなどの症状に最初は家族すら気づきにくく、高齢によるもの、と軽視しがちです。

過去記事『認知機能の衰え』

こちらの記事に、認知症の基本的な症状を記載しています。それに加えてどのような検査をするかも書いていますので見てみてください。

家族が認知症とわかったら介護する側もショックは隠せませんね。その時に相談できる人や機関を作っておくことも認知症の方を介護するには大切な事です。介護は孤独感を感じやすく、ましてや親の介護であれば、認知症とはわかっていても、ついついキツイ口調で注意してしまったり、意見をしがちです。ヘルパーや訪問看護などを利用している場合であれば、本人がいない所で、第三者の目で本人の様子を聞いたり、どのように関わったらいいか等、遠慮せず聞くといいでしょう。忙しそうだから、家族の問題だからではなく、支援してくれる方々も家族の課題に関わってくれていると受け入れ、聞きにくい事でも聞けるといいですね。

また、認知症と診断を受けて、これから様々な支援を利用することを検討している方は、まずはかかりつけ医や地域包括、役所の福祉課などへ相談できます。

認知症になると、ヘルパーなどのかご保険を利用することへの拒否や、本人が認知症を受け入れていないケースも多く、家族間での介護のみで頑張っているというケースも少なくありません。

本人が拒否をしているからヘルパーなどの導入は無理

認知症以外は健康なので、家族間で出来る

相談はしたいが、他の家族が介護保険を利用することに否定的

など、様々な理由で相談にすら繋がらないケースも多くあります。介護は終わりが見えません。今は大丈夫と感じていても、認知症が進んだり、他の疾患で身体介助が必要になることもあります。

介護保険を利用することはまだ先と思っていても、まずは、家族が機関へ相談しこの先の事や、今の現状からこれからどうしたらいいのかなどを相談することで、違う視点でのサポートが受けられることもあるので相談するだけでもしてみることをお勧めします。

公益社団法人 認知症の人と家族の会 全国物忘れ外来一覧

認知症の電話相談(公益社団法人 認知症の人と家族の会)
電話番号 0120-294-456
受付時間:午前10時~午後3時(月~金 ※祝日除く)
※携帯電話・PHSの場合は075-811-8418(通話有料)
このほか、全国47か所の支部でも電話相談を受け付けています。

地域包括支援センターマップ

私も認知症の親を抱える子として

私自身も認知症と診断された親を介護しています。母は一昨年亡くなり、そこから少しずつ父の認知機能は低下してきました。

この記事を書きながら、私自身も介護家族として悩み苦しんでいる最中です。本人の意に反した様々な事柄が現在進行形で起こっており、そこに向き合わざるを得ない私自身も苦しんでいます。

私は高齢者介護の仕事をしていた経験もあります。しかし、仕事と家族介護は全く別・・・そこに感情が常に入っているからです。なので、私自身も認知症の家族介護は全くの初心者・・・

認知症の家族を抱えているご家族やご本人のお気持ちを察しながら、この記事が何かのお役に立てればと思っています。

ご自分を責めないで・・・

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