高齢者ドライバー、進まない免許返納の事実、その理由とは?

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高齢者ドライバーの事故発生率とその状況

高齢者ドライバーが増えている中、免許返納を促すような取り組みが国を挙げて行われていますが、現状としては、免許返納率は横ばい状態と言います。

その背景には、住んでいる土地柄事情もありますが、1人暮らしの高齢者や、夫婦2人だけの世帯が多いのも返納に躊躇する理由でもあるようです。

交通事故自体は年々減ってきているものの、逆に高齢者の交通事故は増えており、その半数は重大な交通事故と言われています。75歳以上の交通事故には特徴的な原因があり、それはハンドル操作のミスやブレーキの踏み間違いなど『操作不適』が多いとされています。また、認知機能の低下から死亡事故に至ってしまうケースも増えていると言います。まさに身体機能や認知機能の低下により、判断力、瞬発欲が鈍ってしまい、事故につながってしまうのです。

ちょっと古い統計になりますが、2018年の高齢者の事故率から、その1年後の2019年は事故率は2倍に増えています。今も年々高齢者の事故率だけが増え続けているという現状なのです。

運転に自信のある高齢者も多いですが、運転が上手いからと言って高齢になってもその運転技術が維持されるわけではないという事です。やはり誰もが避けては通れない『老い』により、様々な身体機能が低下してくるとを自覚する必要があるのかもしれませんね。

私の父も、長年仕事柄車の運転にはかなりの自信がありましたが、高齢になるにつれて、認知判断操作が鈍ってきてしまい、運転自体が危ないと感じるようになりました。

しかし、父にとっては自分はまだまだ大丈夫というある意味過信のようなものがあり、ある時期から毎年誕生日が近づくと、私たち家族から免許返納を促しますが、聞く耳を持ちません。家族としては不安ではありなるべく父が運転をしないような状況を作るしかないと思っています。しかし、命にかかわるような危険な運転と感じた時には父から半ば強引に免許証を取り上げなくてはいけないことも頭の片隅にいつも置いているのです。

生活スタイルや家庭の事情のため、返納を躊躇している高齢者も多い

公共交通機関が発達した状況ならまだしも、地方に住んでいる高齢者にとっては、車は生活の中ではなくてはならないものとして利用している過程も少なくないというのが実情です。今では各自治体が取り組んで、乗り合いタクシーなど高齢者の外出支援などのサービスも徐々に進んできましたが、まだまだすべての地方に行き届いているわけではないのです。ですから、やはり不便を感じながら生活をするうえで車は必須と言えましょう。とあるメディア記事で、高齢者から免許証を返納することを考えているか?の問いに、考えているが車を使わざるを得ない環境下にあるため、どうしても返納に躊躇している、という返答もあったのです。

また、そのような住環境下にあるために、どのタイミングで返納するべきか考えている、悩んでいる、という返答もありました。

超高齢化と言われる現代の日本では、これからももっともっと高齢者ドライバーは増え続けていくと言われています。そのためには、高齢者から強引に免許を取り上げることを優先的に考えるよりも、自治体が少しずつ取り組んでいるような取り組みの推進や、どの地域でも高齢者すべてが車を運転しなくてもいいような対策を検討すべきですね。

免許更新時に認知機能検査を行ったりと国も対策を講じているものの・・・

現在は国も様々な策として、返納を促せるような広告を出したり、相談センターを設けたり、免許更新時も、認知機能検査を行うなどの対策を行っているが、思うように免許返納は進まないのが現状のようです。

また、免許更新時には70歳以上には高齢者講習が義務付けられ、75歳以上には認知機能検査が更新時に行われることと義務付けられています。認知機能検査の結果認知症を疑われる方は、医師の診断が義務付けられており、認知症と診断されれば免許更新はできないようになっています。しかし、この検査はあくまでも簡易検査であるため、医師の診断に至る方はよほどの重い認知症にあたるようで、認知面の低下してきている高齢者は難なく検査をクリアしてしまうことが多いのです。

国の対策はあまりにも簡単すぎるという声もあるようですね。

過去に私が働いていたデイサービスで、送迎を行っているにも関わらず、どうしても自家用車で通いたい、と強く希望されていた方がいらっしゃいました。

その方は足が不自由になってきており、ある国も杖を使われていました。トイレや入浴でも転倒しないように介助が必要で、車の運転はご家族も再三やめるよう話してこられましたが、ご本人の意思は強く頑として免許返納をしようとはしませんでした。デイに車で来ることも、基本禁止だったのですがそれでも送迎から戻ると車でいらしており、私たちがつくのを毎回待っていらっしゃいました。

その方の運転があまりにも危なかっしく、認知判断操作も鈍く、ある日軽い接触事故を起こされました。その後ご家族や医師の説得に車の運転を当面辞める決心をされましたが、そのまま体調が悪化してしまい、亡くなられました。

その方は私の父のように車関係のお仕事に就かれ、車をこよなく愛し、最期まで運転をすると頑張った結果、誰も傷つけはしませんでしたが、事故を起こすことでご自身が運転技術の低下を少なからず自覚されました。

毎日のように高齢者の死亡交通事故が報道される中、私も父が加害者になる前に何とかしなくては、と思いつつ国や自治体がもっと厳しい対策を講じることも必要かもしれないと思っています。

内閣府交通白書

終わりに

高齢ドライバーの問題は、年々深刻さを増しています。が、厳しい規制も必要とも感じつつ、その背景にある、高齢者の生活状況を把握しながら何らかの手立てを考えることも必要なのでは?と思います。

政府が普及に取り組んでいるサポカー、各社が競うように安全機能を搭載し販売しています。その性能は素晴らしいですが機能性が様々で高齢者にとってはいささか使いこなしにくい、わかりにくいという課題もあるようです。

政府としては高齢者のもっと普及したいという意図もあり、普通の車との差別化も図り、サポカーへの補助金なども用意しています。

このような性能の良い車を利用する高齢者が増えることで、高齢者ドライバーの事故が激減するかどうかは、今後の普及率と性能の更新によるのかと思うのです。

私も車を運転します。あと何十年乗るか?どのタイミングで返納をするか?自分の運転に自信がなくなる頃は、もしかすると家族はそれ以前に私の運転に警鐘をならすかもしれない、そんな時私は子供たちの声に素直に耳を傾けられるのか?を今わが父を見ながら考えます。

車が必須ではないべ便利な地域に住んでいるからこそ、70歳には返納しよう、などと考えたりもしますが、高齢になった時の自分の考えは今からわかるはずもないですよね・・・

見極め土器がわからないという声も聴くと、わかるようなきがしました。

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