認知面の衰えをご本人はどのように捉えているのか?

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誰もがいつかは経験する認知機能の低下

私の父は、母が無くなる少し前から、認知面の衰えが目立つようになってきました。もともと自営で小さな会社を経営していたのですが、起業50年を迎えた頃、体力の限界を感じて会社を閉めたのがきっかけと思われます。そのころから、一日中何かを探して、物忘れが顕著になり、生活に少なからず支障が出てくることも増えてきました。

そんな中、母が亡くなり、亡くなったその年はグンと認知機能の低下がひどくなり、軽度の認知症のような症状も出ていました。次第に母のいない生活が父の中で少しずつ受け入れるようになると、少しずつしっかりしている時も増えてきたのです。

認知機能の低下は加齢とともに誰しも迎える『老い』です。

そんな認知機能の低下と、私たちはどのように向き合っていけばいいのでしょうか?

私自身、父の認知機能の低下と向き合いながら生活をしていると、話がかみ合わなくなることでイライラすることも増えました。

そして、元々頑固だった父が、さらに頑固になり融通が効かなくなったことにもいらだちを隠せないことも増えました。でも・・・父は父なりに認知機能の低下を受け入れていたことにも気づかされたのです。

何でこんなに物忘れが酷くなっちゃったんだろうか?

ある日、探し物が出てこなくて、一緒に探していたところ、父が

そこには絶対に閉まっていないからそこは探さなくていい

と言い張った場所を見ると、探し物が見事に出てきたことがありました。そんな現実を突きつけれられ、父は愕然と、そんな弱音を吐いたのです。父なりに自分の『老い』に対して戸惑いや苛立ち焦りを感じていたようでした。

認知機能の低下を一番わかっているのは自分自身なのだと思ったのです。

私もいつかは父のような時が来るんだろうな・・・そんなことを思いながら毎日探し物をしている父と関わっているのです。

認知症の簡易検査を開発した長谷川医師を知っていますか?

今や、認知症の簡易検査はどこの病院でもお願いすると簡単にやってくれるようになりました。

長谷川式スケール検査というのが簡単な認知機能の低下を知るうえでメジャーとなっている検査です。

その検査を開発した長谷川医師は認知症の研究の権威者です。彼が認知症という言葉を最初に使って以来、痴呆症から認知症という言葉に変わりました。

ある日、長谷川医師の特集をテレビでやっていました。

ここ数年、医師自身も認知症を発症しながらも、ご家族の支えの元、自身が認知症になって自分が感じた『認知症の世界』を、講演会で話していらっしゃいます。

それは、とても興味深い内容でした。

長谷川医師は、40年以上もの間、認知症においての研究を進め、家族の負担を軽減するために高齢者のデイサービスの設置もしたのですが、自分自身も奥様の負担を軽減するためにデイサービスを利用し始めて感じたことがあったと言います。

私はデイサービスでは孤独なのです。

と・・・そして、日々、自分への認知面に確信が持てないまま、奥様の献身的な介護や、娘さんの支えに救われて生きているといいます。

認知症になってからも私の中では何も変わっていない、見える景色は認知症になる前と何ら変わりはない、

という言葉で終わりました。医師自身が認知症を介護や医療の中に第一人者として取り入れ、実践してきたことが今自身が受ける側になり、施設入所やデイに通うことの孤独を感じ、いかに自分らしく生きることが難しいか?ということを感じているようでした。

認知症を研究し、認知症の権威と言われた医師自身が認知症になったことで、見える世界を実体験し愕然とした、という長谷川医師。でも、自分が見える世界は認知症になる前とは何ら変わりないけど・・・日々の自分に確信が持てないという不安・・・

長谷川医師はとても分かりやすく認知症の世界を語ってくれました。

認知症について知っておきたい基礎的なこと

では、認知機能の低下も含め、認知症とはどのようなものかということを最低限抑えておきたいものですね。

これを知ったからと言って、認知症の家族への対応がしっかりとできるようになるかと言うわけではありませんが、少しでも知識として知っておくことで、認知症の家族の会代わりに役立つと思うのです。

まず、認知機能の低下と、認知症とは違うということを覚えておいてください。認知機能の低下とは脳の機能が老化することから、誰でも起こりうる現象ですが、認知症とは何らかの病気により脳の神経細胞が壊れることを認知症と言います。

認知症が進行すると、日常生活をも送ることが出来なくなる病なのです。

認知症の疾病は3つに分かれます。

・アルツハイマー認知症・・・物忘れから気づくことが多く、今まで日常生活で出来ていたことが出来なくなっていきます。新しいことが記憶できない、思い出せない、時間や場所がわからなくなるなどが特徴的です。一番多いのがこのアルツハイマー認知症です。日常生活の些細な行動が出来なくなるのが特徴的です。顔をあらう、服を着替える、ご飯を食べるなどがわからなったりします。家族はアルツハイマーが進行するまで気づかない場合もあります。

・レビー小体認知症・・・実際にはいない人が見える『幻視』、眠っている間に奇声を上げたり怒鳴ったりする症状があります。また、小刻みに歩くなどのパーキンソン病のような症状も見られます。頭が、はっきりしたり、ぼーっとしたりと、日によって体調にも変動があるのが特徴的です。気分が沈み落ち込んだりする抑うつ症状が出る人も多くいます。また、動作が遅くなったり、表情がこわばったり前かがみであるくなど、パーキンソン病に似た症状がみられるので、パーキンソン病と間違われて診断されることもあります。

・血管性認知症・・・脳梗塞や脳出血などによって発症する認知症です。梗塞の場所や障害の程度によって症状が異なります。そのため、出来ることと、出来ないことが比較的はっきりと分かれていることが多いのです。手足のまひなどの神経症状が起きることもあります。判断力や記憶は比較的保たれています。また、せん妄が起きて、突然認知機能が悪化することがあります。他には感情の起伏が激しくなり、突然泣いたり怒ったりすることもあります。

これらは3大認知症といわれるものです。

これらの認知症の症状と当てはまると言って、勝手に判断するのは危険とも言えます。気になる症状があれば、医師の診断を仰ぎ適切な治療を行うことで、進行を遅らせることや、日常生活を普通に送ることも可能です。

私の父はアルツハイマーに似たような症状が出ていました。しかし、検査をしてもそこまでではなく、逆に家族が父への刺激を与えることで、物忘れが少し軽減されたり、出来なかったことが出来るようになったりしたのです。

医師いわく

奥様の死が一時的に認知機能を低下さえていたのかもしれません。喪失感は高齢者でなくても意欲低下や思考力低下になることも多いのです。

と言われ、様子を見ることで、父の認知機能は以前のようなまでに戻りました。

しかし、加齢には勝てません(笑) 年々衰えてくる認知機能に正直ドキドキしている日々でもあるのです。

終わりに

認知機能の低下は避けられない事実ですが、それを緩やかにさせることや、認知症と診断されても、適切な治療と介護を受けることで進行を遅らせることは十分可能なのです。、私もそうですが、親の老いに、子どもは戸惑い、焦ります。

そうすると、過度なプレッシャーをかけてしまうことで、もっと認知面が落ちることもあるのです。過去に介護の仕事で、アルツハイマーの方を担当させていただきました。その方は食べること、入浴することも自力で出来なくなっており、必ず介助が必要な状態ではありましたが、身体はいたって健康でした。会話も成り立たないことが多かったのですが、昔の話をすると我に返るように普通に会話ができます。そんな日は食事もある程度自身で食べたり、入浴を嫌がらず自分で入られるようになることもあるのです。その方は会話の中で時折、

あれ?なに話してんだろう?

とつぶやかれることもありました。そんな時は、ご自身に戻っている時なのです。きっと夢と現実のはざまを行き来している、そんな感じなのかも?と思うことがありました。ご自身に戻られている時は時にはできないことにイライラされる姿もあったのです。

認知症の方の世界は、何もわからないのではなく、ご自身もある程度理解しているからこそ、不穏になったり、悲しくなったりイライラされたりするのです。

亡くなった私の母も後半は、認知機能が落ちて、夢うつつのようなことを毎日言っていました。そうかと思えば、調子のよい日もあり、話した内容や、自分の意思をしっかりと伝えられることもあったのです。

医師からは、認知症までとは以下にまでもかなり認知機能が落ちている、ということは言われ、それに対して話を合わせていました。

私たち家族はそんな親と、どのように向き合えばいいのでしょか?それは、ご本人の『老い』を受け止めたり、認知症という病を知り受け入れることしかないような気がします。親が自分の子供のようにわがままを言ったり、立場が逆転する悲しさや寂しさもありますが、それも含めて受け入れることで、ご本人も安心して我が子に身を任せることができるのかもしれませんね。

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