ヤングケアラー・介護を担う若い世代の実態

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国が乗り出した全国発のヤングケアラー実態調査

ヤングケアラーという言葉を聞いたことがある方もいるかもしれません。

【ヤングケアラーとは】

18歳未満の子供が、学業や仕事の合間に家族の介護を担う事です。介護と言っても身体的な介護だけでなく、家事やきょうだいの世話、介護を受ける家族の精神面のサポートなど多岐に渡り、それが日常的に行われていることをお言います。中には介護にために学校を休まざるを得ない状況になったり、経済的に困窮しているためアルバイトなどを行いながら家計を支えている子供もいます。

中学生が祖父を介護、先生にも言えず

中高生の5%がヤングケアラー

今までヤングケアラーの実態は国では重要視されてはいませんでした。家族の介護のために、学業や本来あるべき子供の姿が失われていることに国も乗り出したのです。

中学生の17人に1人がヤングケアラー

介護は40代以降の子育てが終わったような世代が担う、という今までの考えが覆されているのです。その背景にあるものとは一体何でしょうか?

ヤングケアラーが増え続けている社会背景

女性の社会進出や、晩婚化、高齢化社会等、現代の日本が抱える社会背景の課題がヤングケアラーが増えていることに繋がっています。

核家族化や離婚率が増えたことで、家族の姿が変わってきました。親きょうだいの関係も希薄ななることで、家族が孤立している家庭も増えてきたのです。また、晩婚化によって、子供が成人する前に親に何らかの介護が必要になるというケースも増えています。

そんな社会背景が重なり合って、若い世代が家族の介護を余儀なくされるという状況が生まれているのです。

妻が病気で中学生の娘が家事

8歳から祖父を介護、子供でいたかった

ヤングケアラーの多くは、子供らしさを封印して家族のために頑張ろうとします。学業や友達との楽しい時間、そんな当たり前の時間すらも叶わない子が多いのです。

ようやく国がヤングケアラーの実態を調査し動き始めた

ヤングケアラー支援 厚生労働省・文部科学省 早期発見と支援拡充へ

そんな中、ようやく厚生労働省と文部科学省がヤングケアラー支援に動き始めました。

自治体独自の調査としては埼玉県が2020年に県内の高校2年生を対象とした調査を行ったことで話題になりました。ヤングケアラーは学校側からの報告で発覚することがほとんどだと言います。逆に学校にも判らにように隠し通そうとする家庭もあり、実態としては潜在的なヤングケアラーもいるという専門家もいます。

【私自身もヤングケアラーだった】

実際に私自身も高校1年生の冬に母がパーキンソン病と診断され、そこから32年にわたり父と母の介護を担ってきました。当時高校生だった私は、母の病気のことを誰にも言えず、そのことを知られることが恥ずかしい事と感じていました。発病当初は母の身体的な介助よりも精神面での支援の方が多く、母のメンタルが落ちて寝込んでしまった時には家事などの家の中の事を手伝っていたのです。また、父が仕事で忙しいときには母の病院の付き添いにも行きました。母自身も病気であること、娘に家事などを担ってもらっていることを外に知られたくなくて、病気であることは口外しないように言われていました。近所の人も母の病気のことを知らなかったのです。

私の経験からも言えますが、家族の介護を担っていることを家族自身が公表したくなくて、隠しながら家族を支えている子供は多くいると思います。また、私のように家族の心の支えになるヤングケアラーもおり、身体的な介助よりも家族のメンタルを支える事の方が辛いと感じている子供たちもいるのではないかと思います。介護は40代以降の子どもが担うものという考えや、介護は家庭間での問題、介護を担う側の支援の少なさなど、国が検討るべき項目は多々あるでしょう。

【今後の国の動向は?】

今後国としてどのようなヤングケアラー支援を行う予定なのでしょか?国は今後5月までに国の支援策として厚生労働省と文部科学省が合同で、プロジェクトチームを作り、実態調査を踏まえて、支援策を策定すると決定しました。まだ具体的な案はこれからですが、支援団体や自治体からの聞き取りも行っていくとしています。

まとめ

ヤングケラー支援は国が動く前から、支援団体などが、少しずつ支援を行ってはいます。しかし、あくまで支援活動するのは自治体ではなく、個人的な活動が多いのが現状です。どの団体も財源的に厳しく、支援する内容も限られてきます。それでもヤングケアラー支援活動を行いながら、少しでも子供たちが健全な生活を送れるようなサポートしている人たちもいるという事を忘れてはいけませんね。ただ、そのような団体がヤングケアラーにあまり周知されていないことも残念な事です。

ここではごく一部にはなりますが、ヤングケアラー支援を行っている団体をいくつかご紹介します。

横浜ヤングケアラーヘルプネット

ヤングケアラープロジェクト

日本ケアラー連盟

他にも、ブログやHPを開設している個人でヤングケアラー相談を行っている方もいるようです。

また、プリズムでもヤングケアラーの方へのご相談にも応じていますのでお気軽にお問い合わせください。

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