ヤングケアラー支援・各自治体が制定し始めているケアラー条例とは?

※当ページのリンクには広告が含まれています。

PR/広告

ケアラー条例とは

家族の世話や介護に追われる子供たち、ヤングケアラー、その言葉を知っている人はまだまだ周知されてはいません。

国がヤングケアラー支援に乗り出したことで、少しずつ各自治体の取り組みが報道されるようになってきました。

北海道 ケアラー支援について(保健福祉部)

私が住む北海道でも、少しずつその支援の内容を具体化しつつあります。

ケアラー条例制定目指し実態把握へ

条例とは国が定める法律とはちょっと違います。

国が定める法律とは別に地方公共団体が定める自主法の事を言います。つまり、国の法律に基づいて各自治体が独自で定めることが出来る法律なのです。

条例を定めるには、地方公共団体での議会の承認などによって決議されます。

なので、ケアラー条例も各自治体によって内容は異なることが多いのです。

では、ケアラー条例とはどんな基本的内容が盛り込まれているのでしょうか?

条例を定めている自治体の殆どは大きく分けて2つの項目を掲げています。

①基本理念 

②目的

基本的理念

ケアラー条例を制定している自治体において、基本理念とはどのような内容を掲げているのでしょうか?

埼玉県、北海道栗山町、三重県名張市、岡山県総社市、のケアラー条例を参考にまとめてみました。

〇すべてのケアラーか個人として尊重されること

〇ケアラーの支援は市や町、関係事業者や機関等が、相互に連携を図りながらケアラーが孤立することのないよう社会全体で支えていくこと

〇ヤングケアラーにおいては、適切な教育の機会を確保し、心身の健やかな成長等が図られるようにすること(埼玉県)

大まかに言うとこのような項目がどの自治体にも記載されています。

日本国憲法に掲げている、『基本的人権の尊重』を基盤に理念は作られているという所でしょうか。

ケアラー支援の目的

では、ケアラー条例の目的とはどのようなものなのでしょうか?

理念の中に掲げている『基本的人権の尊重』を軸に市民や事業所、教育など、様々な分野での役割を明確にするとあります。

それは、それぞれの分野で、それぞれが『責任を負う事』により支援の施策に対して計画的にかつ総合的に推進し、よって、全てのケアラーが健康的で文化的な生活を営むことが出来る社会を実現することに繋がるのです。

かみ砕いて説明すると、ヤングカラーで言うと、教育、介護、自治体等様々な分野が関わることで、ヤングケアラーと、その家族などの周囲の生活が安定し、ヤングケアラー自身も月齢相応な最低限の生活を保障することが出来るというのです。

本来その時期に必要な学ぶ権利、その年齢の中で生活する権利等、最低園の権利を保障することがケアラー条例の目的なのです。

ケアラー支援に関する条例

各自治体が定めるケアラー条例の中のヤングケアラーの位置と今後の課題

各自治体がケアラー条例を定める中に『ヤングケアラー条例』の制定を進める自治体が少しずつではありますが増えてきました。

そもそも『ケアラー条例』はヤングケアラーを想定していない成人以降の人を対象とした条例です。そこにヤングケアラーに必要な『学ぶ権利の保障』などを盛りこむことでヤングケアラーにも必要な支援を広げていく自治体が増えてきたのです。

しかし、まだまだヤングケアラー支援は始まったばかり。

各自治体も模索しながら、介護を担う子供たちの実態を把握している最中でもあります。

支援に当たっては、各自治体がその『責務』をどのように具現化していくかがそれぞれに問われています。本来の『ケアラー条例』では、ヤングケアラー支援はなかなか困難を極めるからです。

札幌市で言えば、大都市故の『潜在的なヤングケアラー』をどのように見つけるかが課題となるでしょう。

事業所や自治体との連携、教育と自治体との連携など、様々な機関がヤングケアラー支援をどのように捉え支援の方向性を見出だしていくかを細部まで計画する必要があるかもしれません。

北海道もヤングケアラー支援に乗り出すニュースの中に見える『課題』を一つ一つ揉みながら計画を図ることが重要なのだと思うのです。

三重県名張市(幼き介護)

関連記事

  1. 国や自治体の調査で分かってきた潜在的ヤングケアラー

  2. ヤングケアラーからケアラーへ・切れ目のない支援

  3. ヤングケアラー・子どもの権利保障・1人の人間としての尊重

  4. ヤングケアラー・あなたの身近にいるかもしれません

  5. ヤングケアラー・介護を担う若い世代の実態

  6. ヤングケアラー・どこまでをケアと言うのか?

PAGE TOP