認知症とせん妄の違いって?

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せん妄とはどんな症状?

せん妄という言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。特に認知症によるもの忘れや、生活の中で洗濯機の使い方がわからなくなったり、今いる場所がわからなくなるなどの症状と、急に暴言や暴力をふるう行動などは認知症からくる症状なのか、せん妄なのかが判断がつかないご家族も多いかと思います。

せん妄とは突発的に時間や場所がわからなくなったり、注意力や思考力が低下したりする症状が出る状態のことを言います。病気や薬、手術の後遺症、環境の変化などが要因となって発症することが多いのです。

私の母もパーキンソン病によるせん妄が出ることが多々ありました。そのパターンは大体同じで、薬が変わった時と、一番大きかったのが、環境が変わった時でした。

元々、環境が変わることに不安感が強かった母なので、パーキンソン病になり、その傾向は強く出ることは当然なのですが、その環境に慣れるまでせん妄に私たち家族も付き合うのが一番大変でした。

元々、パーキンソン病になる前も、泊まりで旅行に行くことも嫌がり、同じ家の中でも部屋が変わったり、枕が変わるだけでも眠れない日が何日も続き、不穏になることは私が物心ついた時からでした。そうすると、イライラが増したり、ありもしないことを言ったりと精神的に不安定なのは子供ながらに感じていたのです。なので、パーキンソン病になり、せん妄がひどくなると今まで以上にひどいせん妄に振り回されるのが私自身も精神的な苦痛でした。

警察が来ている!お父さんが捕まえられる!

部屋の入口に兵隊さんが立っていて私に銃を向けてくる!

(入院中に)看護師が私の悪口を言って食事も持ってきてくれない

せん妄が出ると、私の携帯はなりっぱなしでした。仕事中だろうが夜中だろうが明け方だろうがお構いなしにかかってくる母からの着信に私がおかしくなりそうでした。しまいには

あんたは私を殺そうとしてるの!?

と言われたときには、泣いて

いい加減にしてよ!!

と電話口で怒鳴ったことがあります。

せん妄の状態も人知れぞれですが種類としては、大きく分けて、2種類あると言われています。

過活動型・・・幻覚を見たり興奮状態に陥ったりと言った症状が出る。

低活動型・・・意識がぼんやりとして無気力状態になる。

せん妄は突然症状が出ることが多いのが一般的です。一日のうちで症状の変化の差もあり、その都度適切な処置や対応がなされることで落ち着くと言われています。

せん妄は認知症と間違えやすい

認知症をの方にも、幻覚や幻聴などと言った症状が出ることが多く、よくせん妄と間違えやすいと言われています。

認知症とは記憶障害や見当識障害と言った症状が出る病気です。

認知症による幻覚や幻聴の症状は徐々に出るのが特徴としてあります。

最近変なことを言うな、と思ったら徐々に進行しているのが認知症の症状です。

認知症の場合には1日のうちで症状の変化に差があまりなく、幻覚や幻聴が発症すると回復しないというのも、せん妄との違いです。

では、認知症とせん妄の違とは何でしょうか?

【認知症】

・発症した時期が特定できず、徐々に進行している。

・症状は一度出ると回復しない

・1日のうちで症状の大きな差があまりない

・基本的に意識ははっきりしている

【せん妄】

・発症した時期がわかる(突然発症する)

・適切な対処により症状は回復する

・1日の中で症状の差が大きい

・意識障害がある

これらの症状を見比べると、わかりやすいかと思いますが、認知症の病の中にはレビー小体認知症などの、せん妄なのか?認知症からくるものなのかがわかりにくい場合もあります。

せん妄の種類

せん妄には種類があり、それぞれ発症する時間帯や原因によって名前が違います。

【夜間せん妄】

昼間は症状がないのに、夜になると症状が出る

【術後せん妄】

手術を受けた後に発症する

【薬剤性せん妄】

病院で処方された薬などで発症する

【アルコール離脱性せん妄】

アルコール依存症の方がアルコールを絶つときに発症する

これらのせん妄は治療を受けることで改善します。せん妄の治療法には薬剤治療と環境調整があり、環境調整とは医療者や家族がせん妄の患者に話しかけたり患者が安心できる環境を整えることです。認知症とは違うようなこれらのせん妄が見られたら、専門の医療機関に相談してみましょう。

私の母も、薬剤によるせん妄と環境要因のせん妄が見られました。これらは環境を変えたり、薬を変えることで、次第に快方に向かってきましたが、環境要因のせん妄は、何らかの環境によるストレスが母にかかると、きまってせん妄を起こしていました。それに何年も私たち家族は悩まされてきましたが、せん妄とわかると、医療の力を借りながら私たちも母を落ち着かせるような環境を整えることで辛い期間が短くなっていったのです。母の場合、認知症とは明らかに違う精神的な不調だったので、わかりやすかったのですが、認知症を患っている患者さんにはわかりにくいことも多々あります。

せん妄は高齢者にわりと見られる症状でもあります

明確な原因は解明されてはいませんが、せん妄は高齢者には多い症状でもあります。高齢であることからの様々な機能の低下がせん妄を引き起こすともいわれています。そこが認知症との区別がつきにくいところなのかもしれません。

せん妄はある程度環境などで予防することも可能です。せん妄を起こしやすい方は、元々脳がせん妄を起こしやすい性質を持っていたりするのです。

薬や病気、環境やストレス、睡眠などの要素が絡まってせん妄を引き起こしやすくなります。高齢者がせん妄を引き起こしやすいのは先にも書いたように、心身の機能低下から、若い頃には多少の環境でも耐えることが出来ていた心身の機能が加齢とともに低下しちょっとした環境要因でストレスに弱い状態になっているとも言えます。

母は、元々パーキンソン病を患う以前からストレスに弱く、一人で抱え込んでしまう傾向があったために、ショッキングな出来事があると、せん妄気味な様子があったのです。それに加えて、パーキンソン病と次第に来る加齢が加わり、頻繁にせん妄を引き起こしやすくなっていたのでしょう。

高齢者にストレスがかかっていると感じたら、まずはせん妄を予防できるような環境を整えてあげたいものです。

終わりに

母が認知症ではない、幻聴幻覚が酷い経験があったからこそ、せん妄について色々と調べ、何となく理解はしていました。しかし、ちょっとした環境の変化にこちらが

えっ!?そんなことでも??

というようなストレスにさらされることも多々あり、母の繊細さが手に取るように分かったのを覚えています。

お母さんは繊細なので、徐々に環境を変えたり、ストレスがかかるようなこともすこしずつ伝えるといいですよ

というアドバイスをいただいたことがありました。でも、母は徐々に、とか、少しずつというのもイライラしてしまい、それすらもせん妄の要因となってしまうこともありました。

お母さんに心配をかけるようなことは言うなよ

いつも父はこう言ってました。それは母が不穏になることがわかっていたからです。

母が最期に入所した療養型の病院に、偶然にも父の友人で母も良く知っている方が入所したのを知ったのは、母が亡くなる3か月ほど前のことです。しかも母のいる階の真上にその方が入院されていました。脳梗塞の影響で、意識が無くなり寝たきり状態だったと言います。父は

お母さんには絶対に言うなよ

と言います。その方は急に脳梗塞で倒れて死線をさまよっていたのです。

結局母には知らせずその方は、また偶然にも母が亡くなった1週間後に息を引き取りました。偶然と偶然が重なり、もしかして母はその方と意識レベルで会っていたのでは?と思うほどの偶然でした。

余談になりましたが、母にとって顔見知りな人のことでも何か心配なことがあると、せん妄に繋がってしまっていたのです。私たちがそれほど深刻に考えないことでも昔から母は妄想でいっぱいになり、眠れず、そのうち睡眠不足からブツブツと変なことを言ったりしていたのも今思えばせん妄だったのです。

先にも述べたように高齢者は様々な機能の低下から過度なストレスがかかりやすくせん妄になりやすい傾向があります。そうならないためにも、周囲が環境を整えたり、毎日楽しみを見つけて過ごせるなどの配慮をすることで予防することが出来るのです。

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